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SFA(営業支援システム)が9割失敗する理由

2017年10月15日 | コンサルティング

最近は中小企業にもSFA(Sales Force Automation:営業支援システム )が導入され始めています。SFAは、営業担当者が抱えている様々な顧客情報(担当者名や購入金額などの基礎データ、商談の進捗、受注・失注事例など)を社内で活用するためのシステム(グループウェア)です。営業日報の電子版のようなイメージがありますが、今までの顧客訪問履歴、提案書、見積書などをパソコンやスマホで見たり流用したりもできます。

SFAを使うことによって属人的な情報が「見える化」されるので、営業部門の生産性が上がります。その結果、売上、利益ともにアップするというわけです。

いいことずくめのSFAですが、中小企業が何も考えずに導入するとほぼ失敗します。最大の理由は経営者の「丸投げ」によるものです。

「SFAで営業効率が上がる?じゃあ、それをひとつ買って来い」と言った中小企業の社長がいたそうです。笑い話のようですが、こうした事例は決して少なくありません。こういう社長の下でSFAを導入すると次のようなことが起こります。

情報システム担当者:「社長のご指示によりSFAが導入されました。明日から営業日報はすべてPCかスマホから入力してください。」
営業担当者A:「なるほど、入力が簡単ですね。事務仕事が楽になりそうです。(一度入力した内容をコピペしてちょっと書き換えれば良いな。思いっきり手抜きができそうだ)」
営業担当者B:「色々な社内資料を参照できますね。役に立ちそうです。(冗談じゃない。俺が苦労して作った資料は絶対に公開しないぞ!タダで教えるもんか)」
営業担当者C:「部長からのアドバイスもすぐにいただけるんですね。心強いです。(いちいち小言を書き込まれたらたまらないよ!面倒な話は書かないようにしよう。)」
営業部長:「社長からはSFAを使って売上を2割アップせよとのお達しが来ている。みんな、大いに活用して頑張ってくれ。(失敗してもSFAを運用する情報システムのせいにしよう)」

ある会社にコンサルでお邪魔したとき、こうした心の声が「オフレコで・・・」というまくら言葉とともに聞こえる声となって私の耳に入ってきました。この会社はシステム化に前向きで実際に成果を上げているのですが、ことSFAに限っては大失敗という結果になりました。

SFAは情報の共有化には非常に役立つシステムですが、反面、真に共有されるべき情報の一部をかえって隠してしまうことがあります。営業はその進行プロセスがあいまいで、属人的な要素にもかなり左右されます。その点が経理や製造、受発注のような業務とは大きく異るところです。

営業担当者にとっては、SFAに入力することが最優先事項なので「社内の特定の人には知らせたくないこと」や「ちょっと気になること」までいちいち入力しなくなってしまいます。その結果、次のようなことが起こります。

情報はしっかりと共有されている(と社長は思い込んでいる)。でも売上が落ちた。

うかつにSFAを導入すれば必ず失敗します。では、どうすれば良いのか。

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【株式会社人材育成社】