中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

繰り返せば、職場の習慣や風土は変えられる

2018年02月07日 | コンサルティング

「定時で帰りにくい雰囲気の職場、残業が前提になって仕事をしている職場」を「定時で帰る職場、残業にならないように効率的な仕事の進め方をする職場」にいかにして変えていくのか」、実効性のある働き方改革の取り組みが、ますます問われるようになってきています。

国会でも審議されていますが、時間外労働の罰則付きの上限規制が来春以降始まる予定になっています。(企業規模により開始時期は異なる予定)

その影響からか、弊社でもこのテーマに関する研修やコンサルのお問い合わせをいただくことが増えています。

しかし、実際に様々な企業に伺ってみて感じるのは、これまで長期間にわたり当たり前のように残業が行われていた組織においては、罰則付きの上限規制が設けられるからといって仕事の進め方を変えようとするのは、決して簡単なことではないということです。

長年にわたり、残業をすることが当たり前というような職場の習慣や風土になってしまっているので、「仕事のやり方を変えましょう、効率よく働きましょう」と言っても、一朝一夕にはいかないのです。

そして、いざ取り組みを進めてみても、すぐに効果が実感できないと、「無理だ、できっこない」と途中で投げ出したいような気持ちになってしまうのは、ある意味では致し方ないことです。

研修などの際に、受講者がそんな気持ちになってしまったときに最近私が紹介しているのが、「ヘッブの法則」です。

カナダの心理学者のドナルドヘップは、「人間は望んでいる・いないに関わらず、何度も同じ行動を繰り返すと習慣化し、定着する」というように、人間がどのようにものごとを学習するかについての法則を示しました。

この法則を、長きにわたり残業をしている職場に当てはめてみると、本来は効率よく仕事をすれば残業せずに済むはずのものであっても、職場全体が残業前提の仕事の進め方になってしまっていて(=習慣化)、それが定着してしまっていることがわかります。

そこで、もしこの「習慣」を変えたいと思うのならば、この法則を逆に使い「残業前提の仕事という習慣に従わない」という選択をしてみるのです。「効率よく仕事を進め、残業はしない」取り組みを繰り返すことができれば、それが新しい習慣になり、やがては定着させることができるようになるとも言えるわけです。

このようにヘッブの法則をうまく活用すれば、長時間労働の解消のために効果的な仕事を進め、早く帰るという働き方改革につながり、職場の風土や文化の醸成にも役立てることができると考えられるのです。

私は今後もこれを信じて、働き方改革の一翼を担っていくつもりです。

さて、人に伝えるのであれば、先ずは自らが実践しないと説得力がありません。私自身が決めた時間に仕事を終えること、これを継続するつもりです。

人材育成のホームページ