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第927話 オンライン授業と研修の違い

2020年06月07日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

研修といえば、会場となる1つの部屋に数十名の受講者が集まって、講義を聴いたり、グループディスカッションをしたり、ロールプレイングをしたりという光景が頭に浮かぶと思います。しかし、今や会社が3密を避けるためテレワークに移行しています。当然、研修も集合型からオンラインへとシフトしています。

多くの研修会社は一斉に「オンライン研修」を前面に打ち出しています(当社も然りですが)。オンライン研修のメリット・デメリット、集合型との比較や注意点など、検索をすればたくさん出てきます。どのサイトもほぼ同じようなことが載っているので、内容は大差ありません。

今回お話ししたいのは「オンライン研修は、いったいどのくらい効果があるの?」という疑問に対する回答です。

ずばり「かなりあります」というのがその答えです。

テレビ番組「林先生の初耳学」(2020年6月7日22時、放送)では、絵がまったく描けない、ギターがまったく弾けない2人の女芸人が、2週間のオンライン授業でどのくらい上達するかのを放送していました。ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、その結果は2人とも「驚くべき上達ぶり」を見せていました。

ご覧になった方は、なんだオンラインで十分じゃないか、いや、むしろ対面型よりもはるかに早く上達している気がする。そう思われたと思います。もちろん「もともと下手ではなかったのでは?」、「やらせでしょ?」という疑問は残ります。

しかし、私はこれは事実だと思います。なぜなら、短期間でスキルアップを成し遂げるための条件が2つ揃っていたからです。

その2つとは、(1)明確な目的と(2)モチベーションを維持する仕組みです。

(1)は目標ではなく、目的であることに注意してください。目的とはゴールであり、目標は通過点です。目的は抽象的であってもよいのですが、目標は具体的な数値などで明確に示されなければなりません。この番組では「2週間訓練したら格段に上手くなった」と視聴者に思ってもらうことが目的です。それは、(第三者の)絵画や音楽の先生に客観的に採点してもらって「60点以上の評価を得る」などといった目標ではありません。

(2)は周囲の期待値の大きさです。一種のプレッシャーといってもよいでしょう。番組を成立させるためには「2週間後には上達していなければならない」わけです。当然、芸人としての評価やギャラなどモチベーションを維持させる誘因もあります。私は、ちょっと文脈は異なりますが「ホーソン実験」※のことを思い出してしまいました。

さて、このようにオンライン学習の効果が現われる条件が示されたわけです。

オンライン研修を提供する研修会社はたくさんあります。ご注意いただきたいのは「どれも同じようなやり方で、講師も似たようなものだから、結果は変わらないだろう」と考えるのは間違いであるということです。

さらに大事なのは、オンライン研修においては「企業とはチームプレイで大きな成果を生み出すための組織である」という単純にして明確な事実を見失わないことです。「チームプレイの要素」が単なる個人のスキルアップを目指した「オンライン授業」とは異なる点です。

オンライン研修をお考え、あるいはすでに導入済みの経営者のみなさん、研修会社に次の2つの質問をしてみてください。

「オンライン」で効果を上げるための条件は何か? 「オンライン授業」と「オンライン研修」の違いはなにか?

納得できる答えが得られなければ、早々に打ち切ることをお勧めします。(そして当社にご連絡ください)

※ホーソン実験: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%B3%E5%AE%9F%E9%A8%93

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