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「『火鉢太鼓』は元々五代目古今亭志ん生が始めた噺なんです。その古今亭のネタを立川流が教えてもらうにあたり、元々の「半鐘はおジャンになる」というオチを(今の人は半鐘を知らないので)音(ネ)と値(ネ)にしているんです。ここはセンスですね。」
先日、噺家の立川晴の輔さんの独演会に行ったのですが、そこで演じられた落語「火炎太鼓」のオチについて、噺を終えた後に晴の輔さんがこのように紹介してくれました。ウィキペディアによると、「火鉢太鼓」は五代目古今亭志ん生が昭和初期に多量のくすぐりを入れるなどして、志ん生の新作といってもよい程に仕立て直し現在の形になったとのことですが、立川流が演じさせてもらうにあたってオチを変えたことを(面白おかしく?)「センス」と表現していました。
昨年まさに「晴れて」笑点の大喜利メンバーになった立川晴の輔さん。今回初めて晴の輔さんの古典落語を生で聴く機会を得たのですが、噂どおり実に歯切れがよく笑点に出演しているときの回答とはまた違った魅力があり、まさにセンスがある方(上から目線な表現ですが)だと感じました。
ところでこの「センス」という言葉、日常でもよく使う言葉ですが、改めて広辞苑を引いてみると「物事の微妙な感じをさとる働き。 感覚。 思慮、分別」とあります。よく「センスがある・ない」というような言い方をしますが、単に美的感覚が優れているというだけでなく、仕事においても様々な場面で使われることも多くあります。自分はどの面でセンスがあるのかということは案外と自身では分からないものなのかもしれません。しかし、センスを身につけたいと思うのであれば自分はどのような部分についてセンスを身につけ発揮したいと思うのか、その点を明確にして追い求めていくことが大切ではないかと思います。このように、私はセンスとは生まれついて持ち合わせている才能とは異なり、経験の積み重ねや訓練を重ねるなどの努力をすることで身に着けることができるものではないかと考えています。
では、自分の仕事に関して「センス」を身につけたいと思った場合、どのようなことから始めればよいのでしょうか。ありきたりかもしれませんが、まずは自分の現在の状況がどのようなものなのかを冷静に見つめて、自分の弱点や足りない点を洗い出すこと。次にそれを踏まえて「どうすればもっと良くできるのか」を考えること。そして、解決に向けたトライ&エラーを続けるということがやはり王道であり、特効薬はないと言えるのではないでしょうか。
晴の輔さんも、毎回「笑点」で司会の春風亭昇太さんから出されるお題に対して、いつもセンスある答えをし続けるために、様々なことに目を向けるとともに「もっとおもしろい答えを」「もっとお客に受けてもらえるように」と絶えず追求し続けていらっしゃるのではないかと思います。
それにしても晴の輔さんは落語はもちろんのこと、その前の「つかみ」でもテンポよく面白おかしく笑点関連などのネタをはじめとして話して、観客を引き込んでいらっしゃいました。私も晴の輔さんのようなセンスを身につけるため、とりあえず扇子を持ってみようかな。お後がよろしいようで。
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