「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
「社員が幸せに。そのためには共に、・・・・」
これは、ある中小企業(A社)が掲げている理念の冒頭の部分です。先日弊社が担当させていただいた公開セミナーで、事前に研修担当者からいただいていた受講者名簿の中の2名が勤めるA社のホームページを調べたところ、この言葉が掲載されていたのです。
これまでは企業の理念というと、どちらかというと概念的なものを掲げている会社が多いと感じていました。そうした中でA社の企業理念は具体的な言葉で書かれており、また真っ先に「社員の幸せ」を掲げているところがとても新鮮に映りました。そして、このことからA社の社長が従業員をとても大切にされているということが伝わってきました。
A社のような会社に勤めている社員はどういう方たちなのだろうと思い、セミナー当日を楽しみにしていたのです。当日A社のお二人は終始生き生きとした表情で、とても熱心にセミナーに取り組んでいることが伝わってきました。
その後、休憩時間になった際に、たまたまそのうちの1名と話をする機会が訪れたので、早速A社の理念「社員が幸せに・・・」について尋ねてみました。そうしたところ「うちの社長は『社員が働きやすいように』ということを日々考えてくれています。そのことが社員にも伝わってくるんです。こうしてセミナーにも積極的に参加させてくれますし、昨日は『セミナーでは〇〇について練習してきてね』と声をかけてくれました。たぶん、セミナーが終わった後もきっと「セミナーはどうだった?有効だったかな?」というように質問されると思うんです。そういう言葉をかけられると、社長が私たちの成長を願っているんだということがとてもよくわかり、嬉しい気持ちになります。企業理念に掲げていることを社長は率先して行動で示してくれているんです」と嬉しそうな表情で答えてくれました。
この社長の行動は、まさにES(Employee Satisfaction)=従業員満足のためのものであると言っていいでしょう。ESとは上司のマネジメント、職場環境、働きがい、福利厚生などについて社員の満足度を表す指標を意味します。ESを高めることができれば「私は経営者や会社から大事にしてもらっている」という気持ちを社員が持つようになり、仕事に取り組む姿勢も向上したりするのです。
「顧客から愛され続ける、顧客満足」を理念に挙げる企業はたくさんありますが、そのためには社員の幸せ、社員満足が前提であり大切だということをこの社長は認識し、しっかりと実践されているのでしょう。二人の社員の表情や受講態度などを見ていると、社長の取り組みは着実に成果を上げていると感じますし、このことは会社の業績等にも大きく貢献しているのではないかと思っています。
しかし、社員の幸せを理念に掲げるためには、当然、会社として積極的かつ継続的な取り組みが求められることから、自らが先頭に立って腹を据えて進めていくという、トップの熱意と行動が問われます。
経営者の皆さん、自分の会社の社員の幸せ、満足について自分はどのように考えるのか、そのためにどのように行動するのか、一度振り返ってみてはいかかでしょうか。