「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
20年以上人材育成の仕事に携わった経験からいろいろなことを学びました。その中で最も重要なことをひとつ挙げるとすれば「学びは上から下へ流れていく」ということです。ここで言う上、下とは組織内の階層だと思って構いません。
組織階層のトップは社長です。社長が常に何かを学ぼうとしている組織は、間違いなくと強いと言い切れます。学ぶとは、何かの知識を得ることだけではありません。自分に欠けているもの知り、それを補おうとする意志と行動がトップには不可欠です。それが必要条件と言ってもよいでしょう。
ある中小企業では、社長が率先して社内の勉強会を開いています。「なんて暇な社長だ」と思われた方は、一度足元(部下たち)をじっくり観察してみてください。おそらく愕然とするはずです。もしそうでなければ「人を見る目がない」とさえ言えます。
組織のトップ、特に中小企業の社長はどのくらい社内に対する影響力を持っているかいうと、ナンバー2(たとえば専務などの役員)の少なく見積もって100倍はあります。ご自身が「そんな大げさな」と思っても事実は事実です。「いや、千倍か一万倍くらいあるよ!」と思われた社長さんは、その数字の通りです。
会社という存在は擬制です。実態は人と人の意思によって繋がっている形のないものです。繋がりを持つ社員一人一人の能力が上がれば、会社全体の能力もアップします。だから人材育成は、会社経営の中で最も重要な施策のひとつなのです。
人材育成の方法にはOJTはもちろん研修のようなOff-JT、自己啓発や勉強会などがあります。いずれも目的を決め、計画的に、会社全体で継続して実施していかなければなりません。
コロナ禍の今こそ人材育成の目的を定め、計画を立て、全社を巻き込んで実施するときです。
4月から始まる新人研修は、もうそろそろ準備を終えている頃でしょう。教育担当者は今ちょっとだけ手が空いている時期かもしれません。あなたが社長さんなら、教育担当のマネージャーにこう言って声をかけてみてください。
「自分が主催して、若手から幹部社員まで参加できるような勉強会を4月から始めたい。成果を出したいので協力してほしい。」
おそらくマネージャーはフル回転して情報を集め、プランを作ってくると思います。社長がやれば役員は参加します。若手社員も入るとなれば管理職も参加せざるを得なくなるでしょう。学ぶことが「上から下へ」と広がっていきます。もちろん勉強会でなくても、研修でも構いません。
もしこれが「逆方向」だったとしたらどうでしょう。あなたの会社のことを考えてみてください。「下から上へ」広がることがないのはすぐにお分かりいただけると思います。
学ぶことで会社を成長させようとするなら、社長自身が教育担当者になるべきです。
社長は他の誰かと比べて1万倍もパワーがあるのですから。