中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,076話 ルーチンワークか?創造的な仕事か?

2021年11月24日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

弊社では、一年を通して仕事の生産性の向上を目的にした「仕事の渋滞解消」研修や、「タイムマネジメント」研修を担当させていただくことが多くあります。これは、近年の時間外労働の上限規制や年次有給取得の義務化など、働き方改革が積極的に叫ばれるにようになったことが背景にあるからだと思います。

これらの研修を担当させていただく際には、受講者に段取りやスケジュールの立て方の演習をしていただくことが多いのですが、その際、多くの人が午前中の早い時間にルーチンワークを予定し、創造的な仕事は終業時間間近に予定されます。

そのような時には、「ルーチンワークを先にして、創造的な仕事を後に予定をするのはなぜですか?」と質問することにしているのですが、すると次のような答えが返ってくることが多いのです。

「朝は頭が働かないので、やり方が決まっている仕事をする方が楽です」、「創造的な仕事は考えなければならないから、予定通りに進まないことが多いです。そういう仕事を午前中に予定すると、予定がずれてしまうからです」、「創造的な仕事は納期が設定されていないことが多い。そもそも納期がない仕事はやる必要がないと考えています」・・・等々です。

どこの組織で研修を担当させていただいても、だいたい同じような答えが返ってきます。

これらの発言を聴いた後に、「それでは、午後に予定していた創造的な仕事は予定どおりに、しっかり取り組むことができているのですか?」と質問すると、「夕方やるつもりにしていても、他の仕事がいろいろ入ってきてしまって、結局取りかかれないままに一日が終わってしまう」、「毎日、朝の始業時間には今日こそ取りかかろうと思うのだけれど、結局できない」というように答える人が少なくないのです。

創造的な仕事とはいうのは、文字通り「新しいものを造ること」です。新しいアイデアを捻出したり、企画をしたり、業務にまつわる改善をしたり、無から有を生み出さなければなりません。

湯水のごとく次から次にアイデアが湧き出るという人は別にして、多くの人は集中して取り組むことが必要なはずです。しかし午後の遅い時間に予定していても雑務に追われてしまい、つい先延ばしにしてしまうということになりがちです。

その結果、いつまでたっても、アイデアも企画も改善提案も出てこないということになってしまい、目に見えた成果を予定どおりに出すことができないことが続くと、やがては創造的な仕事に取りかかること自体が億劫になってしまいます。

では、そのようにならないためには、どうすればよいのでしょうか?

これに関して、私は「まず試しに、朝早い時間に取り組んでみる」ことをお勧めしています。始業後の早いタイミングであれば、まだまだ頭が冴えているという人が多いでしょうし、新鮮な気分の中で様々なアイデアが出ることが期待できるからです。また、もし予定通りにできなかったとしても、その後の仕事の中で何らかのひらめきが得られ、それをきっかけにできる可能性もあるわけです。早め早めに取り組んでみるメリットは小さくないです。

いずれにしても、時間をきちんと確保して一生懸命に考える。アイデアが浮かばない場合には一旦切り上げて、次の日に同じように時間をとってまた考える、というように創造的な仕事に取り組む姿勢を持ち続けることは大切です。いろいろな工夫を試しながら、自分に合ったやり方を見出していただきたいと思います。

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