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第1,074話 自ら限界を作ってしまうとき

2021年11月17日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「○○さんだからできるんですよ」

あなたは、他者に向けてこのような言葉を発したことはありますか?あるとすると、この言葉を発したのはどういうときだったでしょうか?

私は、この言葉を使うケースは主に2つあると考えています。

1つ目は、仮にAさんという人にやる気を出して仕事に臨んでもらいたいようなときに、「Aさんだからできるんですよ。がんばってやってくださいね」というように、相手に対して期待をしていて、励ましたいと考えているときに使う場合です。

次に、2つ目として「私には到底できないけれど、Aさんは特別な力がある人だからできるんですよ」というように、Aさんを称える意味合いで使う場合もあるように思います。

これに関連して、以前、女性管理職として活躍している人に話をお聴きする機会がありましたが、その方は仕事を進める上で必要があれば、上司に対しても積極的に提言を行っているとのことでした。そして、部下や後輩にも同様に必要があればどんどん発信をしてほしいと考えており、事あるごとにそのように伝えているのだそうです。しかしその度に「それはBさんだから言えるんですよ。Bさんのように自ら発信することなんて、私にはとてもできません」と言われ、一蹴されてしまうのだそうです。

そうしたときに、Bさんは「自分から発信することを試してみることすらせずに、始めから限界を作ってしまっているように感じます。自分の可能性を自らなくしてしまっているようで、とてももったいないと感じます」とのことでした。

確かに、他者へ提言をしたり働きかけをしたりすることは、決して簡単なことではありません。さらには、そうしたからといって何らかの結果が返ってくるとも限りませんし、場合によっては思わぬ反発を受けることすらあるかもしれません。

しかし、それでもBさんは「そのときは結果が伴わなかったとしても、その都度行動を振り返ることで必ず次に活きる。次回、同様のケースが訪れたときにその経験を活かせばいいわけなので、先ずは「習うより慣れろ」をモットーにして、経験を積むことが大事なのではないか」とおっしゃっていました。

他者に提言や働きかけるために自分の未知の領域に踏み込むことには、勇気や思い切りが必要なことは確かでしょう。しかし「あなただからできるのですよ」という言葉で自ら可能性を狭めてしまう限り、いつまでたっても新たな世界を手にすることはできないということでしょう。

「あなただからできるのですよ」という言葉を使いそうになった際には、やろうとしない言い訳にしていないか、自分で自分を見つめ直してみる必要がありそうです。

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