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4.CHUUK2024 - コンテスト実録

2024年11月06日 00時00分01秒 | 海外運用

今回はコンテスト実録を書きたくない気分なのだが、少し時間が経って気持ちが和らいできたので
(直後はかなり凹んだ)改めて振り返ってみて、記録を残しておくことにする。
早い話が「自分が考えていたのとは大違いの酷い結果だった」

 

これまでの遠征では大抵が何かアンテナを始めとするなんらかの不具合が発生することが多かったが
今回は全てが順調だった。機材は昨年と全く同じ、アンテナも何度も使って調整含めて慣れており
多少太陽がフレアを吹いて荒れ気味だった気もするが、各局の結果を見る限りむしろ素晴らしいコ
ンディションに恵まれ、特に10mは最盛期に相応しい良い状態だったと言うべきだっただろう。

アンテナ設営を終えてコンテスト前日の夜に50WでFT8の運用をしたが、夜の欧州含めて状態は良く
コンテスト前に748qをログインできた。DX COMMANDERは6mエレメントを付けない状態でも6mでは
SWR1.5と不思議と整合できており、ここでも沢山のJA始めとする近隣と交信できた。

 

さあコンテスト頑張ろう、と張り切って朝起きてリニアに灯を入れて試し打ちを始めた。
お馴染みの局から「良く来てるよ」とレポート貰い、開始時刻を待つ。毎度のことだがこの開始前の
時間は「再びこの時間を過ごすことが出来た」ことを有難く感じるひと時で好きな時間だ。部屋に
お湯が無いので水でのどを潤す。Z-LOG令和を本番ファイルに切替えて準備はOKだ。

10分前、15mSSBで場所取りCQを始める。JAに交じってWからも呼ばれ、CU in the Contestで別れる。
知り合いのJH3EDGに呼ばれ昨晩いろいろなバンドで交信して貰ったお礼を言っているうちに開始時刻と
なりそのまま1stQSO。CQ Contestで気持ちを入れるとお馴染み局が待ち構えていてくれていて次々に
交信し3Q/minペースでスタート切った。ああ、いよいよ始まったぞ。

 

が、わずか20分経つといきなりCQ連呼で呼ばれなくなった。焦るな焦るな、とCQ Contestを繰り返すが
5分間連続して空振りとなり、これは被って潰されてるかと周波数を変えてCQ出す。が数分毎に1qと
冴えない。一応、事前に目標は立てていて、初日の日没まで7hは10m/15m/20mで150q/hペースをキープし
初日の終わりまでに1,500qとしていたのだが、いきなりスタートで躓いて嫌な気配が漂った。

10mを覗いてみるとJAがNA相手に沢山呼ばれているのが聞こえる。NAもそれなりに聞こえているので
CQ出すが数局のJAが呼んでくるだけで15分ほど経ち、諦めて15mに戻る。NAもJAもそれなりに強いのだが
何故か呼ばれるペースが全然上がらない。1q/mのダラダラした時間が続き、開始3時間経った03UTC
でようやく100qとなる。これはいかん、話にならん。絶不調に終わったベトナム運用の時の記憶が思い
出された。気持ちがキレないようにするのが肝心、とは言え原因がわからない。

何か機器に問題があるのか?と、JAの局にコンテスト中ではあったが「信号どうですか?」と問うと
「over 10dB。良く来てます」と面倒そうに返事。飛んではいるようだ。カリブなりが良く入れば
皆そちらへビームを振るのでJAからすればV6はサイドバックなのは理解できるが、それにしても、だ。

 

5時間ほど経った現地の14:00頃、15mで突然呼ばれ出した。クラスターに上がったようで3q/minで続く。
今度は北米とJAからのパイルで、V26B、V47T、KP4、FY、TIなどが束になって呼んできて俄然アドレナリン
が放出され片っ端に捌く。そんな中CN3Aまで激強で呼んできて今回最初の楽しい時間を過ごした。
が、それも長くは続かずパイルが収まると再び空振りの連続に戻る。なんてこった、まだ300qをやっと
超えた程度と言うのに。10m/20m/15mを行ったり来たりしてどこでもパラパラ程度しか呼ばれず、日没
までやっても400qにしか届かなかった。これはイカン、焦りよりも徒労感が勝る。

 

日没を迎え40mへ移る。JAとNAに1~2q/min程度で散発的に呼ばれるが、空振り10回に1回呼ばれるくらいで
このペースは精神的にしんどい。嫌になってきてボイスレコーダのCQばかりに頼ってしまう。日没
までに1,000qの目標との差にしらけ感が漂う。夜中になり気分転換しようと6mFT8でCQ出してみた(既に
コンテストで頑張りぬく気力がかなり怪しくなってきている)。すると面白いように呼ばれて逆にしらける。
結局6mFT8を100qほどやった後、少し寝ることにした。深夜のEUに期待しよう。起きたら世界が変わって
いますように。

 

泥のように一瞬で寝落ちたが夜中に寒気がして起きた。エアコンが効きすぎている。なんとなく体が
だるくズキズキ頭痛がする。どうやら風邪気味になったようだ。それでも現地の4時頃から20mに出たが
CQの応答は悪いのでEUを呼びまわる。呼べばかなりの確率で応答あるので飛んではいるらしくマルチ
を稼ぐ。途中で10mを覗くと早くもJAの大砲は北米と派手にやっているのが聞こえるが、こちらからは
北米はまだ聞こえない。明るくなり始めてからも20m/15mを交互に行き来してダラダラ局数を重ねる。
声を張り上げていると頭痛が酷くなりロキソニンを飲む、なんとなく熱っぽく気力が萎え、思わず
X(Twitter)で「修行を通り越して苦行になっている。過去最低の結果に終わる気配」とつぶやく。

 

初日の折り返し(現地時刻10:00)を迎えるが726qにしか届いていない。これはもう過去の自分の得点を
超えるどころかこれまでで一番悪い結果に終わる可能性が極めて高い、と状況を認識した。なんで
こんなんになっちゃったのかなぁ、としょうもない事ばかり考えて凹む。おまけに喉が腫れて痛みが
出てきて声を出すのが辛くなってきた。付け焼刃でボイスレコーダに「V63CB」と「Roger 5927」を
録音してしばらく凌ぐ。が、もうこれではやる気も出ない。無理に声を出したら咳込んでしまったので
再度ロキソニンを飲んでしばらくQRTして横になった。

 

ネコが毎日部屋に遊びに来た。近寄ると逃げるのだが、まるで自分の不調を冷やかすかの如くいつも
ベランダで無線機にかじりつく人間を冷ややかに眺めていて気持ちが多少は和んだ。

 

横になっている間にスマホでネットを見て、メールを覗くと海外局から何通もメールが入っている。
読むと昨晩FT8でやった局(多くはEUでNAも少々。JAからは無し)から「俺は3回レポートを送ったがRR73
を受信できなかった。ログインしているよね?確認してくれ」というのばかり。相手にしておられないので
無視したが、その中でUSAからの一通に「私は80歳を超えていますが40mのV6をやったことがありません。
最近はやりのFT8はやりません。CWかSSBでどうか交信して貰えないだろうか」という英文とご丁寧に
WEB翻訳で日本語にした文面の丁寧なメールが目についた。丁寧な文面に好感持てたのと、コンテスト
もこんな状態なのでここは一肌脱いで差し上げようと、返事を書き今日の夕方こちらのSS時前後に40m
SSBでコンテストオペレーションするので聞こえたら呼んでくれ、と書いて出した。

すると速攻で返事が来てコンテスト最中ではあったがスケジュールが成立した。

 

日中は休憩とダラダラ呼ばれるを繰り返し、少しずつではあるが局数を重ねた。15:00過ぎると15mで
突然呼ばれ出した。おそらくクラスターに上がったのだろう、これまでとは全く違う密度で呼ばれる。
EU全域に交じってPJ2からも呼ばれる。コンテストビッグステーションはマルチ拾いをする時には
劇強で呼んでくる。ようやく3q/minペースが続き、初日以来のパイルアップとなる。ああこれがしたくて
わざわざ来たんだ、喉が痛いのを我慢してガラガラ声で精一杯スピードを上げて捌き最高速5q/minまで
ペースが上がりこの時間は楽しかった。しかし長く続かず1,000qにはもうひと頑張りを要する。

 

現地17時を過ぎてスケジュールの時間が近づいたので40mに移る。数回CQを出しWから2局ほど呼ばれ
交信を済ませると、くだんの局W9KNI Bobが59で呼んできた。「Hello Bob! Nice to meet you!
Congratulation!」照れくさそうに喜んだ笑い声でBobが応答返してくれて無事QSO完了。

※この日のChuukのSSは0734UTC。それに合わせ周波数の端を選んでスケジュールした。

Bobから「クラスタに上げておいたヨ」で交信を終わると、自分をすかさず呼んでくる一局あり。
KH9と聞こえた。Again, KH9? Complete your callsignを返すとNL7RR/KH9、なんとWake Isだ。
引っ込んだはずのBobも慌てて自分との交信が終わるや5up 5upとKH9を連れて行った。するとドカンと
ぶ厚いパイル。一瞬KH9を呼んでいるのかと思いきやどうやら自分を呼んでいるようだ。最初に
ピックアップ出来たのがKP4AA、しかし裏でV4が呼んでいるのが判る。Wのビッグガンに交じってカリブ
が呼んでいる。次々に片っ端からピックアップし、立て続けでKP4AA、V47T、V26B、ZF1A、J62K、TO5A
PJ4Gと捌き、K3LRはじめ東海岸もマルチ拾いで呼んできて、締めにD4CとZL7IOまで呼んできた。今回の
遠征で一番興奮してハイテンションになれた至福の時間だった。

 

この一時を過ごせたところで気持ちがキレた。頭痛も直らない、体もダルい、喉も痛い。今回は
取りあえず1,000qまでは何とかやるとしてそれで良しとしよう、と思った。根性無しで不甲斐ないし
恰好悪いのだが、そう思ってしまった。そんな風で最終日の朝は相変わらずCQは大して呼ばれないまま
マルチ拾いや知り合いでまだ更新してなかった枠を埋めたりして、1,000q超えたところで丁度そろそろ
終わりの時刻になりFinishとなった。

 

精査前の速報が既に出ているが、同じオセアニアのSO LOW Singleにも負ける得点(604,340)に終わった。
気持ち今年はオセアニアの得点がさほど高くなかった気がしないでもないが、やはり強い局はいつも
通りの得点を上げていて地域の問題は無く、また自分のH/W面でのトラブルは無かったことを考えると
どう見ても自分の力量が足りなかったという結論しか無い。不甲斐なく悔しいがそういうことだ。

正直な気持ちとして今回はかなり落ち込んだ。この後で書くがFT8では面白いように呼ばれて2,000q以上
やった結果を見ると、機械任せだと出来ても自分のオペレーションだと出来なかった様に感じられて
嫌になる。折角のコンディション最盛期でおまけに昨年と違ってV6は唯一のエントリーだったにも
関わらずだ。チューク名物の停電も皮肉なことに今回は一度も遭遇せずに済んだにも関わらずだ。
仕事の隙間を無理して調整して遠征したのでもなく時間と余力はふんだんにあったにも関わらずだ。

まあ何度もやってればこんなこともあるさ、と楽天的に捉えたいとは思っているもののしばらくは
悔しい気持ちを嚙み締めようかと思っている。何がいけなかったんだろうかを考えたことを次の
チャレンジの糧に出来れば良いので次の総括でその辺りに触れたいと思う。

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