甲子道路が全線開通 福島知事「百年の悲願実現」
『福島県南の新しい交通軸となる国道289号「甲子道路」が21日、全線開通した。白河地方と南会津の所要時間は国道118号経由の1時間半程度から50分弱に短縮され、産業振興や人的交流の活発化が期待されている。』
国道289号といえば、点線国道の一つで、点線区間と併走する甲子(かし)林道は、厳しい気候も相まって険しい道であり、林道好きに取っては格好のアタックルートとなっている。F650GSあたりでアタックする人もいるだろうが、トランザルプ400Vでは行きたくない道(ピークパワーが小さいのと、重いのと、カウルを割りたくないため)。
95年から甲子道路建設が始まったことも手伝い、現状でも放置プレイ、荒放題の道だ。
いつか走ってみたい道だが、その時まで道の体を保っているだろうか?
かつて険しい峠道だった街道筋が国道になり「点線」のママだった場所はいくつかあり、そのいくつかはトンネルが掘られたりして開通した。国道140号の雁坂トンネルもその一つだ。埼玉から山梨に抜けるのが便利になったことは言うまでもない("早く"行くなら中央道かもしれないが…)。
甲子道路も同じく地元民の悲願であり、待ちこがれていた道。
これで会津と白河・いわきの交流が盛んになればめでたしだ。
『同県田島町の農業男性(66)は「あっけないくらい短時間で着いた。冬場の除雪もしっかり頼みたい」と話した。』
甲子峠区間は毎年積雪が多い。甲子林道も通行不能期間が長く、雪による浸食も激しいようだ。240億円のほとんどは4.3Kmのトンネルに費やされているのだろうが、全線峠道にした場合の冬季閉鎖・除雪・雪崩・道路修繕などの点をふまえると、長期的にはトンネルの方が安くなるだろうし、道が生きてくる。
ところで同じ国道289号と言えばもう一つ点線区間がある。只見町と新潟県の境にある
八十里越だ。手持ちの地図で点線すら途絶える区間が直線で6Km以上、改修して道を造ると軽く10Km以上の区間である。こちらも山深く雪深い区間。近隣の国道252号の新潟県側は田子倉ダムまでの区間
(六十里越)が冬季閉鎖になるほどだ(もっともダム側のガードレールなどが設置/強化されないことには夏場でも怖いのだが…)。
Wikipediaによると八十里越道路は甲子道路の様な一本のトンネルで貫く方式ではなく、
『14のトンネルと16本の橋梁で貫く予定』なのだそうだ。こちらもかつての峠道から離れ、
大規模に道路を新造するようだ。
会津から長岡に抜けるルートが新たに増えることになるが、距離としてはメリットはないね。それでも走ってみたいんだけど(笑)。こちらの全線開通は2018年以降になりそうだ。
国道352号の萱峠トンネルとどっちが先に出来るのだろう?
追記:
毎日新聞によると総事業費は『約407億円』だそうだ。