プロジェクト同窓会

　新宿の飲み屋に怪しげな男５人が集まってキャッキャッ騒いだ。昔の仕事仲間達である。えっ、あれから１８年？ゲェー早いなぁーなどと言いながら串揚げをほうばる。
　このブログにも一度登場したことのある先輩で親友のマーちゃん。同じく先輩で親友のダーさん。それに、どんなに大変な仕事も絶対逃げ出さないＯさんとＴさん。その後もＯさんには何度救われたかわからない。
　
　ダーさんは、不思議なエピソードが集まって体を作っているような人で、この夜も面白い話がどんどん繰り出された。仕事が煮詰まると私はいつも彼のところへ行き、「何か面白い話はないですか？」と聞いたものだった。普通なら「面白い話ねぇ・・・」などと考え込むものだが、ダーさんは「聞きたい？実はさ、」といきなり話が始まる。それがまた本当に面白い。かなりブラックなものや、えげつない下ネタ風のものもあるのだが笑わずにおれない話し方と話の組み立てになっており、聞き終わると何か元気になっている。煮詰まって逃げ出したい気持ちだった自分が馬鹿らしくなっている。

　考えてみると、どんなにブラックな内容でも、ダーさんの話しにはまったく後ろ向きな内容が含まれない。隅々まで前向きなのである。だから話を聞いていると元気が出て来る。それに、世の中の景色を見る視点が大きく変わる。「仕事」で悩んでいる、と思っていたことが、笑い飛ばせるような目で見てみると、ただ単に「作業」の工夫が足りなかっただけ、だったことなどが見えてくる。急に気持ちに余裕が出て来るのである。

　集まった仲間は皆、懐かしいプロジェクトで寝食を共にした連中である。不思議なことだが、あのプロジェクトに参加した人達には何の遠慮も無く声をかけられる。本気で声をかければいきなり何十人か集まりそうな気がする。それぐらい連帯感が強いプロジェクトだったように思う。ダーさんの前向きさが大きな役割を担っていたと思う。伝染して、よい雰囲気のチームが出来上がったのだろう。
　ただ懐かしがっているだけではなく、これからもまた、作って行きたいチームのあり方である。


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