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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

墓参り

2010-08-16 08:25:28 | 日記
 父の墓参りに行った。父の出身は福島県である。会津の人間であることを誇りにしていた。しかし、墓は横須賀の山の中にある。父の死後、メモリアルアートの大野屋の若いセールスマンに現地まで連れて行かれて説明を聞いた母が、墓地からの帰り道に墓の購入を即決した。父方のご先祖様の墓は、父の兄弟の長男の息子、つまり私のいとこに当る人が守っている。どういう経緯か知らないが、今は埼玉県朝霞市にあるそうだ。

 先日、このいとこの母、つまり私の母からすると兄嫁に当る人の見舞いに、彼女が入っている介護施設に行って来た。父の兄弟は父も含めすべて亡くなり、今はこの長男の嫁と末っ子の嫁、つまり私の母のみが生き残っている。長男の嫁はもう100歳に近い。末っ子だった父は、この嫁さんより10歳以上若い。満州に行っていた父が戦地から帰って来た時は、自分の息子のように面倒を見て社会復帰できるよう応援してくれた人である。見舞いに行った母と私を最初は認識し得なかったが、父の思い出話をするにしたがってはっきり思い出し、涙を流して見舞いに来てくれたことを喜んだ。皺だらけの両手で顔を覆って父の名を反芻する彼女から、砂時計から流れ出る砂のようにじわじわと堆積した時間があふれ出しているようだった。

 母は、父の墓参りに行く前に、この兄嫁を見舞って、その報告を父にしたかったのだ。父が生きていれば必ず見舞いに行っていたであろうから、それをしないで墓参りに行くわけにはいかなかったのである。母は気が小さく、今も父に怒られるのが怖いのである。

 父の墓の周囲は、購入した当初はまばらにしか墓がなかったのだが、ここ数年急に墓で埋まってきて、今年はとうとう空いている所が見つからないまでになっていた。墓の中で眠る人々の多くは、それこそ戦後の日本を支えてきてくれた方々だろう。父のように地方から出て来て、まさかこんなところで眠ることになるとは思いもしなかった、と思っている人も多かろう。未来都市のミニチュアのように思い思いの形をした墓石が林立する中、お年寄りとその子供たちとその子供たち3世代ぐらいの家族構成の方々があちこちで墓石の掃除をしたり線香をたむけたりしていた。ずっと未来までつながって、すべての家族の子供たちがまた子供たちに伝え、ずっと栄えて行って欲しいと、私はその時思わずにいられなかった。健康な子供たちの笑い声がどこからでも聞こえてくる楽しい社会を作って行ってくれ。父の墓の前で手を合わせながら、墓の中から聞こえるそんなつぶやきが聞こえたように思う。


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コメント (1)
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