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IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

寿司屋のハンガー

2010-08-24 09:47:13 | 日記
 私はスーツの上着である。最近は暑くてあまり使われることも無く、ぶらりと居間の壁にぶら下がっていたのだが、その日はなぜかご主人がハンガー からはずして私を腕にかけた。暑くて腕を通してくれない。

 会社は涼しかったが、ご主人は日中の暑い最中に町に飛び出し、私を手に持ったり腕にかけたりしながら、品川駅から幾分離れたお客様のところへ。 着て貰えないのに汗で湿ってしわだらけ。ご主人はあまり気にならないようで、急ぎ足で暑い歩道を進んで行く。お客様の受付は涼しく、ご主人の汗もすっと引く。やっと羽織ってもらって、5~6人の技術者に面会となる。自社の技術者チームに会いに行っていたようだ。皆から話を聞いて約1時間、後もう少しだから頑張れと励ましてお客様先を飛び出す。ビルを出るとすぐにご主人は私を脱いで、またも左腕に。歩道の照り返しが強烈ですぐに左腕もじっとりしてくる。

 品川駅中のエキュートでお土産を買って新幹線に乗り、静岡で昔ご主人がお世話になった方の会社に向かう。その方は、ご主人と知り合った当初システム部長さんだったが、昨年そこの社長さんになった。ご主人は今年8月に入って、人伝に初めてその方の社長就任を知り、懐かしさと嬉しさと入り混じった気持ちで矢も立てもたまらず電話して訪問となったようである。

 静岡はご主人がシステム開発のために何年か暮らした土地だ。もう十数年前になる。ご主人は運がよい。その後のシステム開発でお世話になった方々とは今もなお、親しくさせていただいている。
 目的の会社に到着するとご主人は受付で名乗る前にきっちり私を着込み、なるべくピシッとして訪問した。社長さん、Oさんと言う。昔からまったく変わらないニコニコ笑顔で迎えてくれた。ご主人も話が弾む。そこへOさん「暑いでしょ、上着は脱いだらいいよ」「では、そうさせて頂きます」とご主人。私はご主人の体から離れて隣の椅子の背にかけられて話しを聞くことになった。
 Oさんが、社内にいたSさんを呼ぶ。スーパーSEのSさんだ。カットオーバー直後、有名なソフト会社に外注していたプログラムがうまく動かず混乱していた時期に、数日徹夜して、うまく軌道に乗せてしまった人物だ。それまで数十人月もかけて作ったプログラムをたった一人でほとんど全部書き直してしまったのである。

 深夜残業などあたり前、徹夜続きでくたくたになりながら、平気な顔をして頑張る技術者ばかりだった。そんなことを3人で話しながら、寿司屋さんに場所を替え、あれやこれや語り尽くして3時間。そろそろ新幹線の最終時間も近くなって来たので、と立ち上がったご主人も、店の人も、私をまったく忘れている。
 3人は、いや良かった、楽しかったと店を出て行くが、ハンガーに掛かりっぱなしの私に気付く人も無く、私は一人残された。

 すぐに気付いて戻ってくれるだろうと思ったが、それも無く、数日経っても、まだ私は一人寿司屋のハンガーに掛かったままだ。


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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