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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

温泉に行こう

2010-10-20 07:45:33 | 日記
 毎日頑張っていると、知らないうちに疲れが溜まっている。肩が凝ったり、いきなり睡魔に襲われたり、ううう、これはいかん。そんな時は、何もかも投げ出して、どこかでのんびりと温泉にでも、と思ったりするのだが、その気持ちを、「やもり」と言うグループが「温泉に行こう」という歌にして歌っている。

「できませんって言うのがイヤで、がんばってしまったから、もうここまで」とか「見て見ぬふりはできない性格、気がつけば山盛りの生活」と嘆いた後で「温泉に行こう、今すぐに行こう、助けはいらない、大人のやりかた、温泉に行こう、ゆっくりつかろう」と軽やかに歌う。「やもり」とは矢野顕子と森山良子という、やけにゴージャスな2人のユニット名だ。お湯につかる、というのも疲れをいやす一つの大きな手ではあるが、日常の毎日を離れて、いつもと違う空気や時間の中に自分を置いてみる、というのも溜まったものを吐き出す良い手であるように思う。その意味で「温泉に行く」、というのはまさに疲れを癒しリフレッシュする最高の手なのかもしれない。

 しかし、最近でこそ温泉に行きたい、という気分にもなるが、もっと若かった時には、温泉に行きたいなどと思ったことはほんの少しもなかった。お湯に入ってまったりして何が楽しいのだろう、と思っていたものだ。ま、それだけ元気だったということだろう。ただ、日常を離れて遠くに行きたい、冒険がしたい、という思いは毎日の生活に飽きるとすぐに噴き出した。私が最初に家族から離れて一人で旅に出た、というのは高校1年生が終わり2年生になろうという春休みのことだった。旅行というほど大したことではないが、母方の実家がある宮城県気仙沼市を目指してあちこち寄り道をしながら列車を乗り継いだ。
 もしかすると今でも電化されていないのかもしれないが、今から30数年前は2両ほどの客車をディーゼル機関車が引っ張るというかわいい列車が仙台と石巻をつなぐ仙石線と石巻と気仙沼をつなぐ気仙沼線を走っていた。
 薄く曇った日に上ったばかりの満月のようなぼんやり光る丸く黄色い室内灯を点々と灯したやけに高い天井の列車室内。ピカピカに磨かれて光る木の座席と通路。茶色い落ち着いた空間に早口のおばちゃんたちの甲高い声が響く。やけに楽しそうだ。夜の気仙沼線に乗るのは、石巻に行商に行って仕事を終えたおばちゃんたちばかりだ。神奈川育ちの高校1年生には、おばちゃんたちの気仙沼言葉がまったくわからない。外国に来ているような気分になった。列車が走る車外にはまだ雪が積もっていたと思う。帰りは大船渡線に乗って平泉の中尊寺を眺めてから神奈川に戻った。
 こんな小旅行だったが、16歳の少年にはかなり刺激になり、翌年の同じ時期には友達を誘って2人で東北一周旅行をした。春休みの期間が2週間だったのだが、その最初の日の夜、上野を出発して、最後の日の朝、新宿に帰着した。所持金は3万円。家に帰った時には10円か20円しか残っていなかった。この旅は本当に思い出深く、エピソードも豊富なので、ブログ1回ではとても書ききれない。かといって1つ1つのエピソードをしっかり書き起こせるほどパワーが無い。元気な時に少しずつ書いてみたいとは思う。能代の雪山で雪に埋もれて遭難しそうになったり、鳴子温泉のストリップ小屋で鸚鵡を肩に乗せたお兄ちゃんに踊り子さんを紹介してもらったり、福島県の演劇鑑賞会にいきなり入会して文学座の蟹工船を県民ホールで鑑賞するはめになったりと忘れられない出来事が頭の中を駆け巡る。
 さらに翌年の同じ時期には、つまり高校3年が終わる春には仲間を誘って北海道に流氷を見に行く計画を立てた。私はその頃、大学入試に落ち、浪人することが決定していた。結局計画を立案した私は、計画立案中に見つけたアルバイトが忙しく、誘った仲間だけが北海道に行く、という悔しい思いをした。悔しい思いを晴らすため、アルバイトの期間が終わるや否や、北海道一人旅に飛び出したが、流氷はすでに北の海に去っていて見ることができなかった。この旅もエピソードが豊富で忘れられない。北海道一周のつもりで出かけたが北半分を回って継続する資金が底をつき、帰ってきた。
 浪人生活中は、友人と二人で自動車による出雲大社ツアーを2週間かけておこなった。本当に行き当たりばったり適当に車を走らせて出雲まで行って帰って来ようというものだったが、あんなに楽しい旅行はもう2度とできないだろうというぐらい面白い旅だった。以後は紀伊半島一周や、いきなり広島原爆ドームツアーなど自動車を使った突然無計画旅行断行のような旅が主流になった。日常生活が重くなってくると、バランスを取るように非日常を重くしていたのだろう。

 しかし、会社生活にどっぷりはまって来たころには、日本中あちこちでシステム開発作業にあたることになり、日常が非日常化してくるようになってしまった。そうなるともう日常を離れて遠くに行くということが魅力では無くなってしまったように思う。と同時に、のんびり温泉にでも、と思うようになって来た。紅葉が見える秋の渓谷でのんびり、などと思うこの頃だ。


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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