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IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

フラクタルな午後

2015-03-16 08:26:20 | 日記
 急に雨が降ってきたある日、タリーズに飛び込んだ。通りの向かいのドトールが満員で注文待ちの列が店の外まで溢れ出していたからだ。当然タリーズも混んでいるだろうと思ったがタイミングの問題だったのかすんなり席を確保することができた。

 混んでいるので1人で2人掛けを専有してしまうのは迷惑だろうと窓際のカウンター席に滑り込んだ。見ればカウンターには点々とコンセントが用意されている。パソコンを出して電源を利用している人もいる。 私もiPadを取り出して触り始めると何とWiFiも使えるではないか。これは良い。

 東京オリンピックを意識したサービスなのか単にモバイラー増加に応えたものなのか。いずれにせよありがたいことだ。スマホのアプリにも電源利用が可能なカフェのありかを教えてくれるものが出ている。モバイル機器を持ち歩いて仕事をしている人達にとってはWiFiが使えて電源供給できるカフェと言えばオアシスのような場所だ。

 多くのカフェを渡り歩いているわけではないので確かなことは言えないが、私が入るオアシスのようなカフェではなぜかジャズがかかっている。その日飛び込んだタリーズにもジャズトランペットの音が鳴り響いていた。そのトランペットの音をものともせず耳に飛び込んでくるサラリーマン諸氏の会話は思わず苦笑いしてしまう内容だった。都心のオフィスビルに囲まれた場所ゆえだろうか。

「予算はいつああなったんですかね?まったく聞いていないうちに何であんなに大きく変わってるのか知ってます?あの内容はだれが実行責任を持つ話しなんですかね?」と激昂した声。

 または
「意味がわからない数字を背負っていつまでやれるかわからないっすよ。もう無理っす」とやけに気弱な声。
 
 さらに面白いのは別のテーブルの言葉に勇気づけられて会話が弾む人がいること。
「ほら向こうのテーブルの人もああ言ってるでしょ、おかしいですよ」

 4月から新しい体制に変わって新しい上司とつき合わなければならない人、新しい厳しい予算編成の中で頑張らなければならない人、様々だ。しかし、世界中どこへ行っても同じなのか日本だけのことなのかよくわからないが、業界も仕事内容も全く違う人達が、よく似た悩みを抱え、よく似た不満をもらし、最後はよく似たあきらめ顔をする。

 もし日本独特の構図なのだとすれば、日本には多くの職場で不満が蓄積する何らかの共通の構造が存在するということなのだろう。日本の国家から始まって企業や職場の中の小さな単位まで、共通の問題を抱えたいわゆるフラクタルな形があるのかもしれない。そこを克服しない限り日本が飛躍的な発展を遂げる道は無い。

 しかし、フラクタルであるがゆえに、どこかでひとたび変革が始まれば全体が一気に変わっていく可能性も秘めている。

 変化が訪れた後のカフェなら、たとえ急に雨が降り出したどんよりした天気の年度末の午後であっても、新年度への抱負を語る声があちこちから聞こえて来るに違いない。(三)


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
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