何週間か前のことだが、会社の電子メールシステムが使えなくなった。わずか3時間程度だったがその間あちこちで仕事が滞り、電話のやりとりが増えた。電子メールへの依存度がいかに大きいかを実感する事態だった。
今から20年ほど前の夏、地方のお客様からシステム刷新のご用命を受けて数人の技術者と共に、クマゼミがシュワシュワ鳴く現地に住み込んで開発にあたった経験がある。当時は携帯電話すら普及しておらず、私達は地元のお客様のシステム設計をしながら東京の従来のお客様への即時対応要求に応えるためポケベルを持たされていた。
ポケベルが鳴ると、急いで近くの電話からポケベルに表示された電話番号に電話を入れるのである。何が原因で自分が呼び出されたのか電話してみるまではわからない。電話の向こうで発生している惨状をあれこれ思いながら電話したものだ。
当時電子メールはちょうど普及が始まった頃で、先進的で裕福な企業はすでに利用を開始していたが、誰でも安く使える環境が整備されていなかったため、一般的な企業では様子見の状況だった。私の会社もまだ使い始めておらず、頻繁に電話したり、FAXを使ったりした。都内で仕事をしている時はバイク便もよく使った。
地方に住み込んで動き始めたプロジェクトは地元のお客様だけでなく、東京のコンサルタント会社ともやりとりしなければならず、大量の文書のやりとりを仕方なくFAXで実施した。FAXの送信確認を電話で行うたび、東京のコンサルタントから「早くメールを使えるようにして下さい」と言われ続けた。こちらはまだ電子メールシステムを使ったことがない未開の原始人のようなものだったので、いつもいつも何を言っているんだか、と思ったものだった。
今の私なら、毎回FAXで大量の文書を送って来る相手に対してうんざりしながら当時のコンサルタントと同じことを言うだろう。メールが使えないだけで恐ろしく手間のかかる作業をしていた、と思う。当時を思えば事務的な作業は何とお手軽になったことだろうか。しかも早い。かなり迅速に多くの人たちと細かな情報の交換ができる。
ただ不思議なことだが、その結果としてシステム開発の生産性や品質が大幅に改善しているような気はしない。裏付けデータがあるわけではない。本当は格段に上がっているのかもしれない。が、その感覚はあまりない。
考えて判断し、試してみたり話し合ってみたりして最終的な答えを出す時間は、おそらく判断材料になるデータが多かろうが少なかろうが一定期間必要で、あまり短縮されないのではないか。ソフトウェア製造のステップは、まさにこの答えを出す時間の連続だ。
くだんの電子メールを利用せずに作り上げた地方のシステムは、当初こそいくつか大きな障害を出したものの、それも無事に乗り越え、その後約15年間複数のお客様先で生き永らえた。切り売りした部品群の一部は今でも生き残っている。非効率な作り方だった割に長命なシステムになった。(三)
monipet
動物病院の犬猫の見守りをサポート
病院を離れる夜間でも安心
ASSE/CORPA
センサー、IoT、ビッグデータを活用して新たな価値を創造
「できたらいいな」を「できる」に
OSGi対応 ECHONET Lite ミドルウェア
短納期HEMS開発をサポート!
GuruPlug
カードサイズ スマートサーバ
株式会社ジェイエスピー
横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
今から20年ほど前の夏、地方のお客様からシステム刷新のご用命を受けて数人の技術者と共に、クマゼミがシュワシュワ鳴く現地に住み込んで開発にあたった経験がある。当時は携帯電話すら普及しておらず、私達は地元のお客様のシステム設計をしながら東京の従来のお客様への即時対応要求に応えるためポケベルを持たされていた。
ポケベルが鳴ると、急いで近くの電話からポケベルに表示された電話番号に電話を入れるのである。何が原因で自分が呼び出されたのか電話してみるまではわからない。電話の向こうで発生している惨状をあれこれ思いながら電話したものだ。
当時電子メールはちょうど普及が始まった頃で、先進的で裕福な企業はすでに利用を開始していたが、誰でも安く使える環境が整備されていなかったため、一般的な企業では様子見の状況だった。私の会社もまだ使い始めておらず、頻繁に電話したり、FAXを使ったりした。都内で仕事をしている時はバイク便もよく使った。
地方に住み込んで動き始めたプロジェクトは地元のお客様だけでなく、東京のコンサルタント会社ともやりとりしなければならず、大量の文書のやりとりを仕方なくFAXで実施した。FAXの送信確認を電話で行うたび、東京のコンサルタントから「早くメールを使えるようにして下さい」と言われ続けた。こちらはまだ電子メールシステムを使ったことがない未開の原始人のようなものだったので、いつもいつも何を言っているんだか、と思ったものだった。
今の私なら、毎回FAXで大量の文書を送って来る相手に対してうんざりしながら当時のコンサルタントと同じことを言うだろう。メールが使えないだけで恐ろしく手間のかかる作業をしていた、と思う。当時を思えば事務的な作業は何とお手軽になったことだろうか。しかも早い。かなり迅速に多くの人たちと細かな情報の交換ができる。
ただ不思議なことだが、その結果としてシステム開発の生産性や品質が大幅に改善しているような気はしない。裏付けデータがあるわけではない。本当は格段に上がっているのかもしれない。が、その感覚はあまりない。
考えて判断し、試してみたり話し合ってみたりして最終的な答えを出す時間は、おそらく判断材料になるデータが多かろうが少なかろうが一定期間必要で、あまり短縮されないのではないか。ソフトウェア製造のステップは、まさにこの答えを出す時間の連続だ。
くだんの電子メールを利用せずに作り上げた地方のシステムは、当初こそいくつか大きな障害を出したものの、それも無事に乗り越え、その後約15年間複数のお客様先で生き永らえた。切り売りした部品群の一部は今でも生き残っている。非効率な作り方だった割に長命なシステムになった。(三)
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横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業