松本サリン事件から１４年

★　１９９５年は日本にとって１つの岐路だったように思う。阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件と歴史に残る大事件が相次いで起こった。

★　自然災害は仕方ないとしても、地下鉄サリン事件は１カルト集団が大量虐殺兵器を製造し、それを実際に使ったと言う信じられない事件だった。

★　かつて過激派による連続ビル爆破事件と言うのはあったが、テロ国家でさえ簡単には使用しない猛毒ガスを大都会で散布したのだから驚いてしまう。無差別大量虐殺、あるいは要人を暗殺したり、国家を大混乱に陥れることが案外簡単だと言うことを実証してしまったのだ。

★　松本サリン事件が起こったのは、地下鉄サリン事件の前年だったか。当時は「サリン」などといった毒ガスが「平和国家」で製造、使用されることなど思いもよらず、捜査機関もマスコミも大混乱。第一発見者の河野さんに疑惑の目を向けると言った過ちをおかしてしまった。

★　あれから１４年。事件による重い後遺症で苦しんでこられた河野夫人がお亡くなりになったと言う。憎むべきはオウム教団だが、捜査のあり方やマスコミの報道姿勢も批判された。

★　捜査当局やマスコミはこの事件から何を学び、何が変わったのだろうか。

★　ところで、政府は「安心プラン」などを策定したようだが、「安心」が叫ばれるほど、社会に不安が蔓延していると言うことだろう。そういえば、年金の「１００年安心プラン」などと言っていたのはいつのことだったか。

★　鳴り物入りで登板した与党幹事長は、早くも舌禍で釈明に明け暮れる。「ナチス」は国際的にも刺激的な発言だ。

★　安全神話といったものが崩壊し、犯罪は身近なところにある。被害者になるのは明日は自分かもしれない。不安が募る。