緊急経済対策

★　政府の緊急経済対策が出される。その規模は２～３兆円になるという。与党の国会議員の中には８兆円規模の財政出動が必要との意見もあったように記憶している。

★　原油や穀物などの高騰により、景気に急ブレーキがかかる一方で、物価は上る。スタグフレーションの状態だ。背景がサブプライムローンに端を発する投機マネーだというから、庶民の生活苦の裏でバカ儲けをしている人たちがいるのだろう。

★　こうした状況を受け、経済対策が行われるのは政府としては当然のことで、むしろ遅きに失したと言っても過言ではなかろう。

★　ところでこの手の対策はバラマキになりやすい。総選挙も年末から年始にかけてと慌しくなってきた。今回の総選挙は細川、羽田内閣以来、政権選択の選挙になる。結果によっては戦後日本の政治を牛耳ってきた自民党が崩壊するかもしれない。それが民主党を含めた政界再編への動きになるかもしれない。

★　「政治」を生業とする人々、そして彼らを取り巻く政治業界の人々にとっては死活をかけた戦いとなるのだろう。バラマキからはそんな危機感を感じる。バラマキも時には結構だが、財源は言うまでもなく血税か借金（赤字国債）だ。総選挙後には大増税が待っている。高度成長期のようなバラ色の未来はありえない。

★　将来への不安、国家あるいは「公」への不信感が背後にどっしり存在している。

★　批判ばかりしていざとなれば「公」に頼る国民性は反省しなければならない。しかしパッチワークと朝令暮改の政府では庶民が自己防衛に走るのも無理はない。確固とした方針をもつ政治家、政党、政府であってほしいものだ。

★　このところ原油価格や株価が乱高下している。投機マネーもいよいよバブルの崩壊が近づいてきているようだ。この後始末にアメリカ政府は、これからの数年間を追われそうだ。アメリカの軍事戦略や世界の勢力図も変わるかもしれない。