★ 3日の京都新聞、「現論」というコラムで文芸評論家の斎藤美奈子さんが「危機煽る社会の危うさ」という論稿を寄せられていた。
★ 今になって見れば過剰反応が滑稽にも思えるインフル騒動から、マスクに収れんされるグッズ信仰、横並び志向、組織の保身を見てとり、危機意識を過剰に煽る社会、煽られた危機をモノに転換する社会の危うさを鋭く指摘されている。
★ そう言えば、最大の感染者を数えるのにマスク姿を見かけないアメリカと店頭からマスクが消え去り、街中にマスク姿があふれた日本との対比は鮮烈だった。
★ 日本の様子は海外メディアからすると実に好奇心煽られるものであったであろう。用意周到と言うべきか、臆病と言うべきか、社会的マナー(公共心)の高さと言うべきか、自己保身への執着と言うべきか、いずれにせよ実に日本的な光景であったに違いない。
★ 斎藤さんの論稿の中で面白かったのが、マスクと防空頭巾の類似性の指摘だ。危機が結局、目に見えるものへ収れんされたという指摘だ。
★ 飛沫の飛散を防ぐというマスクが、霊験あらたかなお札のように貴ばれ、それを身につけることで社会的な同化性がアピールできる。日本社会にとっては実に便利なグッズであったようだ。
★ 斎藤さんが言うように防空頭巾もマスクも「気やすめ」にすぎないだろう。そして、先を争ってマスクを買いに走る危うさ、マスクさえすれば安心してしまう無邪気なほどの楽観性は、庶民のせめてもの防衛とはいえ、反省しておく必要があるかも知れない。
★ 兵庫県の高校ではマスクが不足し教師たちが手作りのマスクを作ったという。物資がない中、子どものために身近なモノで防空頭巾を作る母親の姿を思い起こさせる一幕であった。せめてもの美談としたいものだ。
★ 今になって見れば過剰反応が滑稽にも思えるインフル騒動から、マスクに収れんされるグッズ信仰、横並び志向、組織の保身を見てとり、危機意識を過剰に煽る社会、煽られた危機をモノに転換する社会の危うさを鋭く指摘されている。
★ そう言えば、最大の感染者を数えるのにマスク姿を見かけないアメリカと店頭からマスクが消え去り、街中にマスク姿があふれた日本との対比は鮮烈だった。
★ 日本の様子は海外メディアからすると実に好奇心煽られるものであったであろう。用意周到と言うべきか、臆病と言うべきか、社会的マナー(公共心)の高さと言うべきか、自己保身への執着と言うべきか、いずれにせよ実に日本的な光景であったに違いない。
★ 斎藤さんの論稿の中で面白かったのが、マスクと防空頭巾の類似性の指摘だ。危機が結局、目に見えるものへ収れんされたという指摘だ。
★ 飛沫の飛散を防ぐというマスクが、霊験あらたかなお札のように貴ばれ、それを身につけることで社会的な同化性がアピールできる。日本社会にとっては実に便利なグッズであったようだ。
★ 斎藤さんが言うように防空頭巾もマスクも「気やすめ」にすぎないだろう。そして、先を争ってマスクを買いに走る危うさ、マスクさえすれば安心してしまう無邪気なほどの楽観性は、庶民のせめてもの防衛とはいえ、反省しておく必要があるかも知れない。
★ 兵庫県の高校ではマスクが不足し教師たちが手作りのマスクを作ったという。物資がない中、子どものために身近なモノで防空頭巾を作る母親の姿を思い起こさせる一幕であった。せめてもの美談としたいものだ。