じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

横山秀夫「陰の季節」

2020-08-15 20:26:17 | Weblog
★ 横山秀夫さんの「陰の季節」(文春文庫)から表題作を読んだ。

★ 警察と言えば、罪を犯した犯人を捕まえる「刑事課」の仕事が目立つが、当然、どの組織にも見られる経理、総務、人事といった部署もある。「陰の季節」は、人事を担当する警察官の話だ。

★ 定期の人事異動は恒例の年中行事だが、「上」からの妙な横やりで、変更を迫られることも多いという。今年の人事異動、ほぼ完成し発表間近という時期に、ある警察署長の不祥事が明るみになって、急遽変更を迫られる羽目に。

★ 人事異動はまるでパズルのようだ。職階の厳しい警察組織だと尚更だろう。そしてそれは現職に留まらず、引退後の天下り先にも及ぶ。

★ 現職を引退した元刑事部長。ある公社の専務に天下りして、口約束の任期3年が経過しようとしていた。順当なら勇退し、そのポストには次の人物が収まるはずであった。しかし彼は退職を拒否した。慌てたのは、人事担当者。このままでは次の退職者がつかえてしまう。

★ 人事担当者は彼に翻意を迫るのだが、退職を拒むのにはある思惑があった。

★ 後半は少々強引な運びだったが、人事担当警察官の苦労を知ることができた。

★ そう言えば、検事総長の人事をめぐる官邸と検察のドタバタ劇は記憶に新しい。
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映画「孤狼の血」

2020-08-15 01:38:13 | Weblog
★ 映画「孤狼の血」(2018年)を観た。原作は柚月裕子さん。原作を読む前に映画を観てしまった。

★ 時代は1988年、広島では暴力団の抗争が激化していた。警察組織からはみ出たマル暴刑事の目を通して、抗争の背景、警察幹部の腐敗が描かれていた。

★ ナレーションの入れ方などは「仁義なき戦い」を思い起こした。

★ はみだし刑事役を役所広司さん、その部下役(実は別の密命も帯びていた)を松坂桃李さんが演じている。熱のこもった演技で、思わず作品に引き入れられた。
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