じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

荻原浩「時のない時計」

2022-10-21 15:29:42 | Weblog

★ 歯科の定期健診。それを終えて、近所のスーパーでマイナポイントを申請。市役所から出張で(あるいは委託された業者か)が、マイナンバーカードやマイナポイントの申請を手伝ってくれている。とりあえず1万5千ポイントゲット。

★ 1ドル150円の壁はあっさり突破し、32年前の円安水準、物価上昇も消費税増税時を除けば31年ぶりの3%台だという。

★ 30年かぁ。30年前の自分を振り返る。若かったなぁ。まだ希望に満ちていた。まさかのベルリンの壁の崩壊。米英が新自由主義を標榜し、ソ連がなくなり冷戦が終結したと言われた時代。久しぶりに1991年放映の大河ドラマ「太平記」第1話を観た。鎌倉から室町へ、時代の転換期を描いた作品だった。

★ 時ということで、荻原浩さんの「海の見える理髪店」(集英社)から「時のない時計」を読んだ。主人公は父親の形見に古い時計を受け取った。古いながらもブランド物。しかし、動かない。修理を依頼するため古い時計店を訪れる。

★ 時計店にはその歴史を物語るように柱時計や鳩時計、「パタパタ時計」など各種の時計が陳列されていた。動いている時計、止めてある時計。止めてある時刻が微妙に違う。主人公がその理由を店主に聞く。その時刻は店主にとって思い出の時間だった。

★ 店主と話をしながら、主人公は在りし日の父親を思い浮かべる。平凡なサラリーマンとして生涯を全うした父親。外では見栄っ張りで、そのツケは家族に。魚肉ソーセージとちくわがおかずの弁当も今となっては懐かしい。

★ 「時計の針を巻き戻したいって思うことは、誰にでもあるでしょう」と店主。主人公は「ありません」と答えた。「時計の針は前へ進むためにある」と。

★ 時計はまた動き始めた。そして主人公はちょっとした秘密を知った。

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