マドレーヌの日々

今日も一日にっこりね。

「ハナミズキ」

2010年09月04日 | 映画
お友達を誘って映画「ハナミズキ」を観てきました。
このところ、一人映画が続いていたのです。
でも、「ハナミズキ」は観終ったすぐあとに、なんかいろいろ語り合いたくなるかも…と思って、そうしてそれは正解でした。

一青窈さんの曲「ハナミズキ」から誕生した映画です。
主人公の「紗枝」役に、新垣結衣ちゃん、相手役の「康平」役に生田斗真くん、
そして向井理くん、薬師丸ひろ子さんも登場します。

北海道の釧路が紗枝の生まれ故郷で、その釧路で漁師をする康平、
ひとことでいえば、二人の遠距離恋愛話です。
出会いは高校時代、それから10数年の時間が経過します。
舞台は釧路から、東京、そしてNYと、紗枝の羽ばたきとともにどんどん広がっていきます。
いろんな伏線が張られていて、あ~ここはこう繋がったとか、あ~こうなって、こうか~としみじみ想いを重ねながら観たのですが、
なにせ涙腺がゆるむシーンが多くて、けっこうぼろぼろ泣きました。
別の日に友だち三人と「ハナミズキ」を観に行った中学生のムスメに言わせると、
「ちっともわからん、どこも泣けん」と言っておりましたが、
それは、まぁ50年近くも年を重ねると、それはそれで沁み入るシーンもあるにはあるわけで…。
「どこが一番泣けたん」と聞くので、
「まぁ、いろいろあるけど、康平が東京の大学へ通っている紗枝のもとへ遊びに来た時に、
『東京にはなんでもあるから』と手づくりの船を持ってきたところは泣けたねぇ」と言うと、
「へぇぇぇぇ、そうなん」とムスメ。
「薬師丸ひろこ役のお母さんが、紗枝がプロデュースしたNYの個展を突然見に来た時も泣けたよ」
「ふぅぅぅん」とムスメ。
かなりの温度があるようです。
まぁ、当たり前でしょうね。

北海道は釧路の景色がそれはそれは美しかったです。
夕日が落ちる灯台のシーンも印象的でした。
主人公の二人がまだ高校生だった頃、雪の中を二人で歩くシーンも良かったなぁ。

康平が船に乗り漁をするシーンがダイナミックでした。
ムスメもそうだったようで、「漁のところはすごかったねぇ。命がけの仕事だよね」と印象的だったよう。
私は海辺で昆布を集めるところも妙に心に残りました。
「北海道の昆布は美味しいもんなぁ~あんなに大きいのを海岸で集めて、乾かしてパックするんだ」みたいな。

DVDが発売されたら、また観てみたいな。
そうそう、釧路にある紗枝の実家が、なんともかわいい白い家で、まわりには何にもなくて平原が続き、そして海が見えるすてきなロケーション、
もちろん庭にはハナミズキの木が一本!
映画を観終っての感想は、初恋は叶うものなのかも、でした。


photo 最近の夕焼けは、特に美しいですねぇ






コメント (2)
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「白夜を旅する人々」

2010年09月04日 | TRCブックポータル & honto
三浦哲郎さんの本を読みました。
図書館で予約したら、閉架図書でした。
たくさんの人に読まれたであろう、佇まいがなんともいい感じでした。

三浦哲郎さんの私小説なのだそうです。
舞台は東北地方、座敷童子の言い伝えがある近くです。

六人兄弟の末っ子だった三浦さん、そのうち兄一人が失踪、姉二人を亡くしています。

温泉に治癒に行く兄が妹に「治って帰るときは、なにか土産を買ってきてやるから。」
と声をかける。
「…父さんの村には、どったら土産があるのえ?」
「おらは、土産より座敷童子の方がいい。座敷童子に会ってきてくんせ。」と答える妹。

「会って、どうするのせ。」
「誘ってくんせ、一遍おら方さも遊びにお出あんせって。」

座敷童子は家の守り神だと言われているのを後から知った兄…。

「心密かに自分の家の守り神を欲しがっているのではないか、と思った。
れんは、いずれ自分たち一家が崩壊の危機に見舞われることを予感していて、
それで座敷童子のようなものにまで恃む(たのむ)気持ちを抱いているのではないだろうか」

予感が現実へと、その過程を読むのがたいそう辛かった。
次の言葉も印象深かったです。

「誰も自分を助けてくれない、そう思っていた方がいい。(略)
救ってくれんのじゃなくて、救えんのですよ、誰にも。
自分を救えるのは自分だけです。(略)
人間は誰だってそうだ。
そういう気持ちをなくしたら、人間はお仕舞いです。」

「きみにはきみの人生がある。
きみは自分の道を進みながら、姉や妹にできるだけのことをしてやればいいんだよ。
なにも犠牲になることはない。
お互いに自分を大事にすること。
そうしないと、きみたち兄弟はこの先困ったことになりやしないか?」


次は三浦さんの『忍ぶ川』を読む予定です。
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