1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 戦後、大家族が崩れ、核家族に。1人1人が自分勝手な行動をして崩壊。町内会も形だけ。町ぐるみで子育てしていた時代はもうない。

2022-12-08 11:53:09 | 法話
読者中学生が「住職も小学生時代に親が離婚でしょ。どんな思いだった」と電話で。「拙僧が7歳、兄が9歳の時、薄々親が離婚するは気付いてた。その時に2人で話したは『大人の問題に子供が口を挟むは違う。今後どうなるかは、親の決定に従おうな』と。結局、拙僧ら兄弟は、父親の方に」「••• 、そうなんだ」と。

【追伸】
この読者中学生が「親の離婚、辛かったでしょ」と。対し、拙僧「それがだよ。その時は、ほんとに、なんともなかったんだよ。今考えると、冷めた子供だよな。子供が何も知らないと思ったら大間違い。ただ、黙っているだけ。が、結婚して、拙僧のアルバムを見ていた家内が『パパ(拙僧)、子供時代の写真だけど、笑ってる顔が1枚もないよ』と言われた時には『えっ』と見返したな。写真は正直に心を写し出すんだな」「よく、不良にならなかったね」「支えてくれる人(爺、婆、叔父、叔母など)がいたからね」「学校の先生は」「校長先生には、世話になったね。拙僧は悪ガキでな。登校すると、机が校長室に移されていた事が、何度もあった。そのお陰で校長先生とは随分と親しい仲に」と。

この中学生が「何か、校長先生との間で思い出はあるの」と。「あるよ。小学6年の時、1974年10月30日、ザイール共和国、今のコンゴ民主共和国の首都キンシャサで行われた、ジョージ•ファーマンとモハメド•アリの世界ヘビー級タイトルマッチかな。当時、学校には校長室にしか、テレビが。試合開始は、5時間目の授業開始と同時。担任に『気分が悪い』と嘘をつき、校長室へ一直線に。で、ドアを叩いた。校長先生が『ボクシングだろ。よし、入れ』と。8ラウンド、残り16秒でアリのパンチがファーマンに。2人で抱き合って喜び、その勢いで教室へ。担任(女性)に即、腕を掴まれ、校長室へ。2人(校長先生と拙僧)とも正座をさせられ、ものごっつ怒られた。担任が帰った後、校長先生が『山本君は、学校が好きかい』と。『好きだよ』と答えると『なら、よか』と。そこからかな、勉強を真面目に取り組み出したは。その校長先生が1年後、癌でこの世を。その時ばっかりは、大泣きしたな。この校長先生の存在は、拙僧にとっては、非常に大きかった」と。この読者中学生は、黙ってこの話を聞いていました。師走のこの時期になると毎年、世話になった人達を思い出します。