1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 頭の高いという人間に、力のある者は少ない。弱い犬ほどよく吠える。本当に強い人間は、弱い人を黙って支える。

2022-12-29 16:56:10 | 法話
【 夫婦は家庭の要にて。夫婦がお互いを尊敬し合い、助け合い、労り合って生きる姿を見て育った子供は、やはり違う。躾(しつけ)は、するものじゃない。躾は、見せるもの 】

檀家男性が「住職。さだまさしさんの『関白宣言』に『俺の所へ家を捨てて来るのだから、帰る場所はないと思え』の歌詞があるでしょ。が、結婚して僅か1年後には、家内から『もし、浮気などしようもんなら、帰って来る場所は、ないと思えよ』と、釘を刺されました。20歳前後になる子供達に、その事の愚痴を言うと『何が、軒を貸して母屋とられる(母さんに)、だよ。自業自得だよ。する(浮気)とわかっていたから、母さんに釘を刺されていたんでしょ、結婚して僅か1年目に、父さんは。捨てられんかっただけでも、有難いと思わにゃ』と言われましてね。確かに、魔が刺したんだよな、家庭が安穏だから」と。「安穏だから、浮気をしたの。そりゃ、奥さんに対する甘え以外、何者でもないわな。あかんわ」と拙僧。

この檀家男性に「あなたの子供達は、しっかりしてそうだね」と。「私の子供にしては、ですね。住職の子供さん達は、どうですか」「そこそこかな」「どの様な教育を」「浮気の話、はぐらかそうとしとるな」「いや、そうでは」「完全放任主義、責任は全て自分、が基本でしたね。今年の春、結婚した拙僧の娘は来春、母親に。子供達を育てたと同じ様に、孫にも一切、口は出さない様にするかな。親じゃなく、孫の方から相談に来た時だけ、答えてあげようと思ってます。子供は親が育てるもの、ですもんね」「そっか。それにしても、住職のご夫婦は仲がいいですよね」と。「先日、対面に座って、食事の用意をしている家内を見ていると、頭に白いものが増えたな、と。20歳でお寺に嫁いできて、3人の子を育てながら、お寺の裏方仕事に、離婚で母親なき拙僧を育ててくれた祖父母の世話を、最後まで。その後、父の癌闘病、父再婚相手(義母)の癌闘病の世話を。今は家内の父母をお寺に同居させて、家内が世話を。最近、家内は『よいしょ』と声を出して、立ち上がる事が多くなってきましたね。晩年は自分の為に、時間を使ってほしいですね」と。

【余談】結婚後、態度が急変した檀家男性に、拙僧「奥さんが、赤ちゃんの世話をしている時に『シャンプーが空、トイレットペーパーがない、風呂が沸いとらん』と、文句ばっかり言ってるそうだな。全部、自分で出来る事じゃないか。文句言いは、自分以外の誰かが動くもんだと、勝手に決めとる。人を当てにするから、文句が出るんだ」「嫁さんから愚痴を聞いたんですか」「聞いたから、注意してるんだよ。子供も奥さんも、君の所有物じゃなかぞ。頭の高い人間に、力のある者などおらん。力がないから威張って威嚇してくるんだ。弱い犬ほどよく吠えると言うだろ。本当に力のある人間は、黙々と弱い人を支えとる。君が幼い頃から、ずっとこの事は話してきたはずだが」「すいません。考え直します」と。