詩編80編12節~19節には、イスラエルの地で神エホバの保護の下に豊かであった民が苦難に直面し、神エホバの義の右手がご自分の民の上にありますようにと、懇願する言葉が記されていました。さらに「わたしたちを生きながらえさせてください」、神エホバの「み名を呼び求めるためです」と誓いを祈りの言葉で宣べていました。アサフは神エホバの「み名」の重要性を示していました。今日紹介する詩編81編1節~9節は、「あなた方はわたしたちの力である神(エホバ)に向かって喜び叫べ」という言葉で始まっています(詩編81:1)。アサフはなぜそのように書き記したのでしょうか。
詩編81編1節~9節には次のように記されています。皆様方はみ言葉からどのような教訓を学び取られるでしょうか。
ギテトの指揮者へ。アサフによる。
「あなた方はわたしたちの力である神(エホバ)に
向かって喜び叫べ。
ヤコブの神に向かって勝利の叫びを上げよ。
2 調べを奏で、タンバリンを取れ。
快いたて琴を弦楽器と共に。
3 新月の時に角笛を吹き鳴らせ。
満月のときに、わたしたちの祭りの日のために。
4 それはイスラエルのための規定であり、
ヤコブの神の司法上の定めだからである。
5 神(エホバ)はエジプトの地に進んで行かれたとき、
それを諭してヨセフ自身に課された。
わたしは知らない言語を聞きつづけた。
6 「わたしは彼(ヨセフ)の肩を重荷から外した。
彼の手は、かごから自由になった。
7 あなた(ヨセフ)は苦難の時に呼び求めた。
それでわたしはあなたを助け始めた。
わたしは雷の隠れ場であなたに答えはじめた。
わたしはメリバの水のところで
あなたを調べていった。
8 聞け、わたしの民よ、わたし(エホバ)は
あなたを責める証しをしょう。
イスラエルよ、もしあなたがわたしに
聴き従うならば。
9 あなたの中によそからの神はいないであろう。
あなたは異国の神に身を
かがめないであろう」(詩編81:1~9)。
上の聖句に示されている通り、「あなた方はわたしたちの力である神(エホバ)に向かって喜び叫べ」と呼びかけ、満月のときの祭りのためにタンバリンやたて琴と弦楽器を用い、神エホバに調べを奏でるように促しています(詩編81:1~3)。それは、エジプトから救出されたイスラエルの民は神エホバとの契約関係にあり、ご自分の民が平安と義に満ちた生活をするための規定・司法上の定めがモーセを通して与えられていたからです(詩編81:4)。エジプトに売られていたヨセフの苦難の時に助け始め、ヨセフの重荷を肩から外し、神エホバが約束に従って救いを施す神であることを明らかにし、約束通りに救出されたのはまことの神エホバだった故に、神エホバ「わたしたちの力の神」と言うことが出来たのです。そのエホバ神に向かって喜び叫ぶ理由は十分にあったのです(詩編81:1)。しかし、神エホバとの契約下のイスラエルの民は神エホバの司法上の定めを守らず、エホバの教えを守り行わなかったことが詩編81編の後半で明らかにされています。
興味深いのはダビデやアサフの時代は紀元前1,000年以上も前のことですが、タンバリンやたて琴や弦楽器で神エホバに調べを奏でる文化を持っていたことです(詩編81:2)。聖書を調べると、人間は高い文化と技術力を用いていたことが分かります。
鴨たちの 遊びし池は 荒れ廃れ 今日の一句
12月の庭の「バラ」