雨が降りつづくなか、今年の広島は、被爆69年の夏、8月6日を迎えました。 祈念式典が行われる平和公園から少し離れたホテルから、傘をさし、大和市民から託された千羽鶴をビニール袋に入れ歩いて会場に向いました。 会場周辺は大変混雑していました。 原爆投下時間の午前8時15分には、元安川の橋の手前までたどり着き、その場で黙祷を行いました。
黙祷後、平和公園内にある、千羽鶴の像のある場所に、持参した千羽鶴を掲げることができました。 その後、平和公園内にあるレストラン近くで、松井一実広島市長の「平和宣言」を聞きました。
「平和宣言」は、被爆の実相をリアルに語り、「子どもたちから温かい家族の愛情や未来の夢を奪い、人生を大きく歪めた『絶対悪』をこの世からなくすためには、脅し脅され、殺し殺され、憎しみの連鎖を生み出す武力ではなく、国籍や人種、宗教などの違いを超え、人と人との繋がりを大切に、未来志向の対話ができる世界を築かなければなりません」
「唯一の被爆国である日本政府は、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している今こそ、日本国憲法の崇高な平和主義のもとで69年間戦争をしなかった事実を重く受け止める必要があります。 そして、今後も名実ともに平和国家の道を歩み続け、各国政府と共に新たな安全保障体制の構築に貢献するとともに、来年のNPT(核不拡散条約)再検討会議に向け、核保有国と非核保有国の橋渡し役としてNPT体制を強化する役割を果たしてください」と日本政府に求めました。
この訴えに私は、勇気を呼び起こされました。 そして、 結びのなかで、松井市長は、「『絶対悪』である核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現」を協調しました。
「しんぶん赤旗」7日付は、安倍首相と被爆者との面談の様子が掲載されています。
「16歳で被爆した吉岡幸雄さんから『閣議決定』の撤回を直訴されると、にらむような視線をむけました。 そして手元の原稿を読まず、こう言い放ちました。 『国民の命と平和な暮らしを守るためだ。 戦争をする国になるという考えは毛頭ない』」
「会談後の記者会見では、地元記者から『被爆地では、抑止力に頼る安全保障の限界を指摘する声もある』『集団的自衛権ではなく、核兵器のない世界に向けて、武力に頼らない安全保障の新たな仕組み作りの考えはないのか』と問われました。 これに対して首相は『抑止力によって、日本が戦争の巻き込まれる恐れはいっそうなくなる』と強弁。 さらに、『抑止力が機能していることは多くの国民が理解している』とも述べました」
「『殺し、殺される国』に直結する『閣議決定』は、平和な世界を願う被爆地の願いに真っ向から反することが、はっきりと示されました」