宮応かつゆきの日本改革ブログ

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日本経済の構造的変化進む。 国際収支ー14年上期経常赤字が過去最大5075億円赤字

2014年08月11日 | 経済・財政

 「財務省が発表した2014年上期(1月~6月)の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益などの状況を示す経常収支は5075億円の赤字でした。 現行統計で比較可能な1985年以降では初めて半期ベースで赤字に転落した13年下期(788億円の赤字)を大きく上回り、過去最大となりました」(「しんぶん赤旗」9日付、以下同じ)

 「13年上期は3兆3131億円の黒字でした。 液化天然ガス(LNG)の輸入増などを背景に貿易収支の赤字が拡大。 海外子会社や証券投資からの配当・利子収入などを示す第1次所得収支の黒字も減り、貿易赤字を補えませんでした。 モノの輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は6兆1124億円の赤字。 前年同期から78.4%拡大しました。 赤字額は現行統計で比較可能な96年以降では過去最大」

 「円安による輸入品の価格上昇や、消費税や環境税(石油石炭税)の税率引き上げを前にした駆け込みでLNGや原粗油を中心に輸入額が大きく伸びました」

 「サービス収支も1兆5780億円の赤字。 知的財産権等使用料の収支は7855億円の過去最大の黒字を確保しましたが、企業の海外での研究開発投資が増え、全体では赤字となりました」

 「第1次所得収支の黒字は8兆3226億円で、4.2%縮小しました。 トヨタ自動車がリコール問題で米司法省に和解金として12億㌦(約1200億円)を支払うなど、日本企業による巨額の賠償金・和解金が相次いだことも経常収支の赤字拡大要因となりました」

 「同時に発表された6月の経常収支は3991億円の赤字。 5カ月ぶりの赤字となりました」

 【海外生産増で輸出不振】(「しんぶん赤旗」9日付)

  「円安にもかかわらず輸出が伸びない原因について、経済財政白書は、日本企業の海外生産の拡大が原因との見方を示しました。 製造業の海外現地法人売上高と日本からの輸出金額は、2008年のリーマン・ショックを受けて急減。 その後、自動車など輸送用機器の海外現地法人売上高は12年度に急回復し、現地生産も増加しました」

 「白書は、海外生産の拡大により、『輸出数量が伸びにくくなった可能性は否定できない』と指摘。 『構造変化』のなかで輸出数量が10%程度減少していると試算しました」

 「自動車などの海外生産は拡大しています。 6月の自動車生産実績によると、トヨタ、日産、ホンダなど大手はアジアなどでの海外生産を増やし6月として過去最高を更新しました。 海外生産比率(1~6月期)も日産が8割を超え、ホンダ77%、トヨタ63%、スズキ65%と上昇傾向を示しています」

 「白書は輸出で、『稼ぐ』力を高めるには、製品の高級化で輸出額の減少を抑えることが重要としています。 しかし海外展開を強める企業がそれで『稼ぐ』力をつけることになっても、輸出増にはつながらず、国内の空洞化と雇用の減少に拍車がかかるだけです」