日本共産党の代表団(団長・志位和夫委員長)も参加した第8回アジア政党国際会議(スリランカ・コロンボ)は20日閉幕しました。 日本のマスコミではほとんど報道されないこの国際会議は2000年に初回総会を開き、日本共産党は第2回総会(バンコク)以降代表を派遣しています。
今回の総会には、アジア29カ国から75政党(与野党含む)、オブザーバーとしてラテンアメリカ・カリブ海政党会議、アフリカ政党評議会、国連など11の多国間・国際組織が参加しました。(「しんぶん赤旗」22日付)
総会では、「コロンボ宣言」が全会一致で採択されました。
「コロンボ宣言」について同紙は、次のように報じています。
「『地域的安全保障と政治的安定性に向けた相互信頼の強化』の章で、『ASEAN加盟国による友好協力条約(TAC)にような地域的な協力と統合の枠組み』がアジアの各地域に生まれていること、そうした枠組みが北東アジアなど、『地域の他の部分でも形成され』、『これらが、最終的にはすべてを包摂する汎アジアレベルに適用されるというわれわれの希望を表明した」
また、「核兵器の問題では同じ章で、『われわれは、2010年の核不拡散条約(NPT)再検討会議で核兵器国によって合意された核兵器の廃絶という明白な約束を実施する必要を再び強調し、潘基文国連事務総長が提案しているように、核兵器禁止条約についての速やかな交渉開始をよびかけた」
日本共産党の志位和夫委員長は19日、同総会で次のように発言しました。(「核兵器禁止条約」部分は略)
【アジアの共同体の構築=今総会のメーンテーマ】に関して
「とりわけ私たちが大きな注目を寄せているのは、東南アジアの国ぐにの取り組みです。 ASEAN(東南アジア諸国連合)は、武力行使の放棄と紛争の平和解決などを掲げた東南アジア友好協力条約(TAC)、ASEAN地域フォーラム(ARF)、東アジアサミット(EAS)、南シナ海行動宣言(DOC)など、重層的な平和と安全保障の枠組みをつくりあげ、それを域外に広げています」
「それは、軍事ブロックのような外部に仮想的を設けず、地域のすべての国を迎え入れるとともに、アジアと世界に開かれた、平和の地域共同体となっています。 徹底した対話と信頼醸成によって、『紛争を戦争にしない』-紛争の平和解決を実践しています。 政治・社会体制の違い、経済の発展段階の違い、文明の違いを、互いに尊重しあい、『多様性のもとで共同の発展をはかる』という考え方にたっています。 私は、ASEANの取り組みは、私たちが学ぶべき豊かな教訓を含む、未来あるものであると考えるものです」
「この点で私たちのすむ北東アジアには、さまざまな紛争と緊張の火種が存在しています。 いかにしてこの地域に平和的環境を構築していくか。 それは、北東アジアの国ぐににとって大きな課題であるということにとどまらず、アジア全体の平和と安定にとっても重要な課題となっているといえるでしょう」
志位委員長は、今年1月の第26回党大会で提唱した「北東アジア平和協力構想」説明し、次のように述べました。
「提案されている『コロンボ宣言』案は次のようにのべています。 『われわれは、ASEAN加盟国による友好協力条約(TAC)のような地域的な協力と統合の枠組み、南アジア地域協力連合(SAARC)、上海協力機構(SCO)の加盟諸国による、より緊密な一体化が、われわれの地域の他の部分でも形成され、これらが、最終的にはすべてを包摂する汎アジアレベルに適用されるという我々の希望を表明した』」
「私は、この提起を心から歓迎します。 アジア大陸の各地域で、それぞれの実情に応じて、地域の平和協力の枠組みを構築・発展させ、やがてはそれを合流させて、平和、友好、協力、繁栄の『アジア共同体』をめざそうではありませんか」
安倍政権の戦前の日本の戦争を美化し、日本を戦争する国につくりかえ、「アジアを再び戦争の惨禍に引きずり込む道」と日本共産党がアジアの諸政党と共にめざす「平和、友好、協力、繁栄の道」との対決が鮮明になってきたように思います。