「朝日新聞」(11月17日付)は「ユニオン&フォーラム」欄で「ロシア革命100年」不破哲三日本共産党前議長に対するインタビュー記事を掲載しました。 この記事では後半部分で今回の総選挙についての質問がされ、不破さんが答えています。 そのなかで、いつも出される「共産党という党名」について、次のようなよりとりが紹介されています。
「--共産党という名にアレルギーがある人もいます。 より広い層に訴えるために党名変更すべきだ、いう議論があります」
「いわゆるアレルギーの大もとには、いろいろな誤解があります。 例えば、ソ連型、あるいは中国型の社会を目指している、という誤解。今度の選挙戦の教訓からも、そういう誤解を取り除いてゆく日常的な努力を全党挙げて強めるつもりです」
「日本共産党は、戦前から95年、この名前で活動してきたが、将来的には、21世紀から22世紀をも展望しながら、日本に理想社会をつくるために活動する政党です。 党名には、その目標が体現されています。誤解を取り除く本格的努力をしないで、名前だけ変えて当面を糊塗するといったやり方は、日本共産党の辞書にはありません」
明日、12月2日~3日にかけて開催される、第3回中央委員会総会では、今回の総選挙全体の教訓とともに、党自身の前進、躍進のための課題についても率直な議論が行われることを期待しています。その中で、不破氏の指摘がどのように具体化されるか注目しています。
「朝日」紙、11月30日付同欄「論壇時評」に「政党の在り方」「『他党と違う』は重要か」というタイトルで歴史社会学者 小熊 英二氏(慶応大学教授)の評論が掲載されました。
同氏は、評論の最後の部分で、次のように述べています。
「社会学者の日高六郎氏は68年に政治の言葉についてこう述べた。『名称を考えることより、実体をつくることが肝心だと思う。また大多数の人たちを納得させることができる名称がまだつくられていないということは、じつは実体そのものがふたしかであり、曖昧であるからだと思う』
そして、小熊氏は「実体をつくれば、名前はおのずとついてくる。言葉をこねくり回して他と差をつけるよりも、まず確かな自己をつくること。それこそが、じつは他者から信頼される近道であるはずだ」
日高六郎氏や小熊英二氏らのこうした指摘をも生かし、「共産党へのアレルギーの大もとにある誤解を取り除く」ために、草の根からの活動を本格的に強めたいと思います。