(3)Japan's Abe has chance to show true colors after big election win
(Reuters; July 22, 2013)
Japan's Abe has chance to show true colors after big election win
Japanese Prime Minister Shinzo Abe's ruling coalition scored a decisive victory in an election on Sunday -- so big that there are suspicions he will lose interest in difficult economic reforms and pursue his nationalist agenda instead.
The victory in the vote for parliament's upper house gives Abe a stronger mandate for his prescription for reviving the stagnant economy. Ironically perhaps, it could also give lawmakers in his own party, some of whom have little appetite for painful but vital reforms, more clout to resist change.・・・
選挙に大勝した日本の安倍首相は日本を安倍色に染める?
日本の安倍晋三総理率いる連立与党が日曜日【2013年7月21日】の選挙で決定的な勝利を収めた。実際、その勝利があまりの大勝であったがゆえに、安倍首相は困難な経済改革に取り組む熱意を失い、つとに自身が標榜してきた民族主義的な諸課題の追求の方に方向を転換するのではないかと危惧する声さえ出てる程の圧勝だった【現代の大衆社会の議会制民主主義の国々を舞台にした英文記事を理解する上で「決定的勝利・圧勝・大勝・地滑り的勝利」は必須のボキャブラリー、鴨です:a decisive victory, a runaway victory, a big victory, a large victory, a sweeping victory, an overwhelming victory, a landslide victory】。
国の立法議会上院の議席を巡って投じられた今般の選挙の勝利の結果、安倍首相の経済再生計画に対しては、今までよりも一層強い、また、これまでの首相に比べても一段と強固な政治的支持が有権者国民から与えられた。皮肉なことだけれども、しかし、今回の安倍自民党の圧勝は、ひょっとしたら、安倍首相を党首と仰ぐその自民党の国会議員に対してもまた--彼等の中には痛みをともなう、けれども、日本にとっては死活的に重要な改革、安倍首相が推進しようとしている改革にほとんど関心のないメンバーも存在するのだが、そのような自民党の国会議員に対して--改革に抵抗するための影響力を強化するものだったかもしれない。(中略)
Abe, who returned to power after his coalition's big win in a December lower house poll, repeated on Sunday that he would focus on fixing the world's third-biggest economy with his "Abenomics" mix of hyper-easy monetary policy, fiscal spending and a growth strategy including reforms such as deregulation.・・・
But some, including Japanese businesses with a big stake in the matter, worry the hawkish leader will shift to focus on the conservative agenda that has long been central to his ideology.
That agenda includes revising the post-war pacifist constitution, strengthening Japan's defense posture and recasting Tokyo's wartime history with a less apologetic tone.
昨年の師走の総選挙で自身率いる政党連合が大勝したことにより日本国内閣総理大臣の地位に復帰した安倍首相は、この日曜日にも、安倍内閣は今後ともこの世界第3位の経済大国の経済の「アベノミクス」による立て直しに邁進すると繰り返した。尚、「アベノミクス」とは、次元を超えた金融緩和政策、財政出動、および、規制緩和の如き構造改革を含む成長戦略という三者の政策結合のことである。(中略)
日本の企業経営者を含む、安倍政権の動向に強い利害関係を持つ人々、あるいは、安倍政権の動向によってその行動が強く影響を受ける人々の中には(some with a big stake)、しかし、このソフトバンクホークスファンの首相じゃなかった、このタカ派の首相が、長らくそれこそ自身の政治的世界観の中核であり続けてきた保守主義の世界観から見て重要な政策課題、そんな保守派的な政策課題に政権が取り組む優先順位をシフトするのではないかと懸念する向きもなきにしもあらずなのだ【some worry that「S→V→・・・」構造】。
而して、その保守派的な政策課題には、例えば、戦後の非戦主義の憲法の改正であり、日本の国防体制の強化であり、そして、日本政府がこれまで唱えてきた戦争を巡る歴史認識をより謝罪の色彩を薄めたものに練り直すことなどが含まれている。
For now, many experts suggest, Abe is unlikely to turn his back on economic matters as he tries to beef up his so-far disappointing economic reform plans. He also confronts a decision on whether to go ahead with raising the 5 percent sales tax to 8 percent next April, part of a planned doubling by October 2015 aimed at reining in Japan's massive public debt.
"My understanding is that Abe-san has three faces: Abe as right-wing, Abe as a pragmatist, Abe as the economic reformer," said Shinichi Kitaoka, president of the International University of Japan. "He has been showing the third face so far and will try to do the same after the election."
今までのところ、安倍首相が経済関連の課題に背を向けることは今の現在の時点では考えにくいと多くの専門家は見ている。実際、安倍内閣が世間と世界とを満足させられたとはお世辞にも言えそうにないその経済改革のための諸計画の拡大強化に安倍首相は尽力している最中であり、なにより、安倍首相は現在、2015年の10月に現行の5%の消費税を二倍に引き上げる既定方針の一部をなす判断--巨大な国の累積債務を減らす目的のために、日本国政府として既に決めている計画の一部をなす判断--、すなわち、現行の5%の消費税を来年四月から8%に予定通り引き上げるかどうかの判断にも直面しているのだから。
「私が見るところ、安倍さんには三つの顔がある。右翼の顔、現実主義者かつ実用主義者の顔、経済の改革者の顔」と、国際大学学長の北岡伸一氏は語ってくれた。「安倍首相は今までのところ三番目の顔を見せているけれど、今回の参議院選挙の後もその姿勢はそう変わらないのではないでしょうか」とも。
Despite the hefty win, the strength of Abe's mandate was diluted by low voter turnout. Media said turnout was well below the 57.92 percent seen in the last upper house poll in 2010. That could keep up pressure to stay focused on the economy.
Still, Abe is moving toward security policy changes that mark a big shift in a country that has prided itself on pacifist ideals even as it built up a military bigger than Britain's.
その勝利が大差をつけての途方もない大勝であったにせよ、その選挙の投票率の低さを鑑みれば、安倍首相が有権者国民から与えられた政治的信託の大きさは見た目ほど大きいものではない。各種報道によれば、今般の選挙の投票率は前回2010年の同じ上院の選挙の際の57.92%をかなり下回るとのこと。ならば、投票率の低さという要素は、安倍首相が経済政策にこれからも専念するように圧力をかけ続ける要素にならないはずはないのではなかろうか【★本稿最終註参照:正直、「馬鹿言ってんじゃねーよ」と思いますが、訳は本文テクストに従いました。尚、今回「参議院選挙・2013」の確定投票率は52.61%ということです】。
しかし、安倍首相は国防政策の変革に向けての動きを粛々と続けてもいる。それは、英国にも優るとも劣ることはけっしてない程の軍隊を整備した現在においても、非戦主義の諸理念を保持していることを自負してやまないでいるこの国にとっては重大な方向転換となる動きなのだ。
<続く>