チャンドラーポメロ
Chandler Pummelo チャンドラーポメロをご存じですか。柑橘類の中で最も大きな実をつける文旦類の一品種です。3月になり我が家でもそろそろ食べごろとなりました。
山本柑橘園では20数年前から導入して栽培していますが販売用ではなく育種用の品種として使ってきました。日本に以前からある沢山の文旦類に比べると味はとても良いと思います。
それでも一般に販売向きでないのは食べにくいという大きな壁があります。温州ミカンのように剥きやすい・種がない・中袋ごと食べられる・甘いと言った良い条件に恵まれた柑橘とチャンドラポメロを比べるとすべてが反対ですね。チャンドラポメロを含んだ文旦類は剥きにくい・種が多い・中袋は固く食べられない・酸味が抜けるまで時期を待たねばならないなどのマイナスイメージが多すぎます。
にもかかわらず、文旦類のファンは結構いますし食べやすい形で食卓に出されれば多くの人は喜んで食べるのではないでしょうか。
今日は文旦チャンドラ―ポメロ(Chandler Pummelo)の詳しい由来と食べ方を紹介します。
チャンドラ―ポメロ(Chandler Pummelo)は1959年、カリフォルニア州リバーサイドの柑橘類研究センターで交配育種されたものの中から選抜されました。
交配の親はシャム・ピンク・ポメロとシャム・スウィート・ポメロのハイブリッドです。育種親は共にタイ国の品種です。
1961年にカリフォルニア大学リバーサイド校のキャメロン博士とスースト博士によって発表されました。
その後1970年代にカリフォルニハアの柑橘産地に広まったようです。日本にチャンドラーポメロが導入されたのは1977年のことでカリフォルニハアのリバーサイドの
日系の柑橘農家からいただいたとのことです。
チャンドラーポメロの果肉ははタイの赤みのあるピンクポメロと普通色のスィートポメロとの中間的な色でややピンクです。肉質はしっかりしていて剥きやすいです。
日本での栽培では3月から4月ごろが食べごろでしょうか、糖度14~15度になり、酸度も1.0前後にまで下がってきます。
育種親として使うとなかなか面白い品種が生まれてきます。
最後に一言お断りしますが、以前私のブログでもチャンドラーポメロについて紹介したことがありますがその中で品種の紹介に誤りがございました。
チャンドラーポメロについてどこの文献から引用したのか忘れたのですが、チャンドラーポメロはタイ国で開発された品種でピンクグレープフルーツと無酸文旦との
交配種だという説があったのでそれを信じて私のブログにも書きました。しかしそれは間違いであったことが分かりましたのでお詫びを兼ねて今回訂正して、今日
のブログで改めてご紹介させていただきます。
チャンドラーポメロの食べ方
チャンドラーポメロは皮が厚くてかたいので包丁か果物ナイフを使って剥きます。
まず、なり口側を平らに切り落とします。
裏側も同様に切り落とします。
剥きやすいように縦にも切り目を入れます。
縦の切り目を少し多めに入れると剥くのに楽です。
縦に半割にして端っこからフォークを使って中袋を取り除きます。ナイフや金串も使ってみましたがフォークが中袋を開くにも・種を取り除くにも・果肉を取り出すにも安全に使えます。
少し手間がかかりますが、なれるとそれほど難しくはありません。
食べる前に糖度計で糖度を測ってみました。約17度で甘さは申し分ありません。文旦特有のほろ苦さと酸味それにしっかりした歯ごたえは他の柑橘とは違いますね。
チャンドラーポメロはこれから旬を迎えます。いかがですか。
我が家の品種の中に、甘みの強い文旦「甘太郎」がいますがチャンドラーポメロの子供です。