曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

生き返った 蝶々小屋

2017年10月31日 | 日記

今日の花

いろはもみじ  花ではありませんが色鮮やかさに思わず車を止めました。裏山の嵩山も山頂から色つき初めています。

 


 蝶小屋が久しぶりで活気づいています。7月になって小屋の中が暑くなったので、3月から飼育していた蝶たちをすべて外に放ちました。それ以来蝶小屋の中は空っぽで植物だけでしたが、いろんな蝶が帰って来たのでとても賑やかです。私なんか朝起きてすぐに小屋の様子を見にゆきますが夜までに何回見に行くか分かりません。中がおもしろそうだとカメラを持って入ります。自然のままの蝶の姿を観察するのが一番よいのですが、野外の蝶はどこにいるかわかりませんし、見つけてもすぐに逃げられてしまいます。小屋の中での観察では逃げられる心配がないのが一番楽です。自然の中ではたとえば寝ている姿はなかなか見ることはできません。交尾の瞬間も自然の中では観察が難しいものです。そんな姿が楽に観察できます。今日は蝶小屋の中の蝶たちの様子を紹介しましょう。

 


小屋の中のスジグロカバマダラ

ランタナの花で吸密

地面に降りて吸水

ネットに止まって休憩

スジグロカバマダラは次々とイケマの葉に卵を産みます

 

 

 

小屋の中のクロマダラソテツシジミ

今日生まれたばかりのクロマダラ

求愛中

ランタナの花で吸密

 

 

小屋の中のアサギマダラ

アサギマダラはピンクがお好き

アサギマダラの幼虫は早いものは3齢になりました。

 


今日再捕獲したアサギマダラ

昨年もやって来た、広島の山下さんのマーク蝶でした。

裏側に私の記号を書いて放ちました。

 

その他私のマーク蝶

 

どこまでも 飛んで行けー わたしのアサギマダラ !

 

 


蝶小屋はにぎやかになりました

2017年10月29日 | 日記

今日の花

秋桜  秋に花が咲く珍しい桜の品種です。

 


 午後になると台風も通り過ぎたのか雨は上がり、青空も見えてきました。空が明るくなると飼育小屋の蝶たちが動き始めました。昨日羽化したクロマダラソテツシジミはタッパーに入れて部屋の中に置いてあったのですが天気も良くなったことだし小さなシジミチョウもアサギマダラやスジグロカバマダラと一緒に蝶小屋の中で暮らしてもらうことにしました。クロマダラソテツシジミは繁殖力が旺盛で食草のソテツの若葉があればどんどん増えます。でもこれからはどんどん寒くなるので餌となるソテツの新芽はなかなか手に入りません。そうなると何か代用食を探さねばなりません。スジグロカバマダラの方も餌となる植物はガガイモかイケマですから、あまり寒くなると葉がなくなってしまいます。これからの時期に蝶を飼うのは大変なことです。それでも、新しい命が生まれてくるのですから、私としては一生懸命お手伝いをしなければなりません。

 


今日の音楽 (らんらんさんより)

 The remains of the day: soundtrack
映画「日の名残り」
原作: Nobel Prize-winning British writer Kazuo Ishiguro. 

Richard Robbins - The remains of the day soundtrack (part 1)

 

 


昨日生まれたばかりのクロマダラソテツシジミ

 

この模様は冬型です。

 

この蝶は南の方の蝶でこの辺では迷蝶として時々見られる蝶です。本州では珍しい蝶ですが、大島には最近毎年現れます。クロマダラソテツシジミが大島で越冬ができるかどうかとても興味のあるところです。

 


スジグロカバマダラ

オス2頭とメス2頭が無事に小屋の中で過ごしています。

ランタナの花で吸密し、小屋にも少し慣れて来たようです。 

 

今日の夕景

 

 

 


雨が しとしと日曜日

2017年10月29日 | 日記

今日の花

白い一重の椿で調べても数百種類の椿が出てきます。写真を見てもどれがこの椿なのか分かりません。この椿は未生苗なので品種名を確定するのは難しいかもしれませんが、花の咲くのが早くて蕾が丸っこいので「白玉」ではないかと思っています。違うかもしれません。

 


 10月も終わりが近いですが、今月は雨がよく降りましたね。台風の影響もあるのでしょうか昨夜から本格的な雨がずっと降り続いています。

朝から暇なものですからつばきの写真などとっています。花をきれいに撮るなら三脚を出してきちんと撮るべきでしょうが、そこまでの気力もないので、どこで撮ろうかとつばきの入ったグラスを持ってうろうろしていました。いつものように一番簡単な黒パックにして何枚か撮り、さらに楽に撮れるようテーブルの上において何枚か撮ってみました。簡単に撮影できる手持ちです。

この時期の白椿はとてもきれいです。特に白椿は寒さに当たるとすぐに茶色に変色しますが、今の時期には花弁の傷みもありません。寒くなると蕾の内に家の中に取り込んで開花を待つようにします。

 


テーブルの上に置いて

 

少し周りをぼかしてつばきの花を引き立てましょう。

 

このように花はいつも食卓の上に置いています。

今年は椿の咲くのが遅れています。例年ならもう何種類かの椿が咲いていてもよいのですが。

 


復活した 蝶小屋

2017年10月28日 | 日記

今日の花

シュウメイギク   先日の台風で花が痛み、もうお終いかなと思っていたらまだ咲き続けています。

 


 今週は良い天気が続きとても助かりました。たまっていた仕事も大分はかどりましたし、アサギマダラもたくさんやって来ました。でも週末の今日はまた雨でがっかりです。こんな時期なのにまだ台風が接近していて、明日にかけて大雨の恐れがあります。本当にもう雨はいらないですね。

一昨日送られてきたスジグロカバマダラを飼育するために、昨日蝶小屋をきれいに掃除して3カ月ぶりで蝶を中に入れることにしました。大事なスジグロカバマダラのメスは家の中に保存しておいて、スジグロカバマダラのオスとアサギマダラのオスを試験的に中に入れてみて一晩無事かどうか試してみました。3か月使っていなかった小屋ですから何がいるかわかりません。蝶を食べる天敵には、蜘蛛・カマキリ・ヤモリ・ネズミなどがいますが、中に潜んでいるかもしれません。オスを入れてみて食べられないようなら、メスを放しても大丈夫であろうとの魂胆です。今日の朝になってオスたち全員居るか調べてみると無事だったようなので、午後にメスも小屋の中に放しました。

メスは昨日から家の中で採卵用の食草を入れたビニール袋の中に入れておいたのですが、今朝までに10個くらい卵を産んでくれました。とてもうれしいことです。これで一応新しい命を育てる準備ができました。スジグロカバマダラを育てるのは初めてなのでわくわくします。蝶小屋の中でメスの親が無事に長生きしてくれるならまだたくさんの卵を産んでくれることと思います。昨年の秋には大失敗をしまして、同じようにいただいたカバマダラのメスを蝶小屋に放った所、一晩で何者かに食べられて姿を消しました。とても残念でした。今年はそのようにならないことを願っています。

今日は雨なのでこのように蝶の世話などをして過ごしたのですが、ラッキーなことにタッパーで飼育していたクロマダラソテツシジミの幼虫が羽化してきました。とても小さい蛹なのでいくついるのかわからなかったのですが、4頭の蝶が生まれてきました。クロマダラソテツシジミは南方の蝶なので外に放ってもこれからの寒い時期に繁殖は難しいかもしれません。それでこの4頭も蝶小屋で最後まで飼ってみようかと思っています。もしもうまく採卵できれば次の世代を飼育できますし、越冬試験もできるかもしれません。

雨の一日は蝶のお世話で暮れました

 


スジグロカバマダラの卵

 

 

 

蝶小屋の中で撮影

スジグロカバマダラ

 

アサギマダラ

いつも撮るアサギマダラの写真と何か違うような気がしませんか。いつもはフジバカマの花で吸密していますが、蝶小屋の中にはらランタナがたくさん植えてありますのでしかたなくアサギマダラはランタナの花で吸密しているのです。

 

 


今朝早く畑へ行った帰りに桜の木を撮って来ました。

 

紅葉が進んでいます。アサギマダラ達は南への道を急いでいることでしょう。


秋麗アサギマダラと瀬戸の海

2017年10月26日 | 日記

今日の蝶

スジグロカバマダラ カバマダラ同様南国の蝶です。本州でもごくたまに迷蝶として見られることがあります。

 


 秋晴れの穏やかな一日でした。今日もマーキングアサギマダラを探しにあちこちのフジバカマ園を訪ねました。途中海岸沿いの道を走るのですが、光り輝く海を見ると何となくカメラを向けたくなります。そして沢山のアサギマダラを見てきました。

 

お昼過ぎに家に帰ってみると、スジグロカバマダラが届いていました。蝶が届いているといっても通販ではありませんよ。蝶好きの私のために送ってくださった方があるのです。生き物を郵便で送るなんて信じられないでしょう。本当はいけないことかもしれませんが、私もよく生き物を宅配で送ります。スジグロカバマダラはオス2頭とメス2頭です。オスのほうはついでと言うことで、大事なのはメスです。これからメスには卵を産んでもらい、それを私が飼育するのです。7月から蝶の飼育室はからっぽでしたが、しばらくぶりの飼育です。これから大変です。

 


光り輝く瀬戸内海

 

 

 

 

 


送られてきたスジグロカバマダラ

 

 

 スジグロカバマダラの飼育は初めてのことです。

 


秋晴れが帰って来ました

2017年10月24日 | 日記

今日の花

つばき  私の椿園に今年初めての花が咲いていました。

 


 ここの所10月にしては異例の長雨にたたられ、お終いは季節はずりの巨大台風のおまけまで付きましたが、今日は気持ちのよい秋晴れが戻って来ました。

この天候不順にアサギマダラ達はどこでどうやって耐えていたのか分かりませんが、今日のよい天気に誘われて一斉にフジバカマの蜜を吸いにやって来ました。おなかを空かせているのでしょう、人が傍によってもあまり逃げないで平気で吸密していました。私も久々の良天気に誘われてカメラと補虫網を持ってアサギマダラを見に行きました。もちろんマーキング調査が第一の目的ですから、写真撮影は調査の仕事が終わってからです。アサギマダラ達も天気の良くなるのを待っていたのでしょうね。フジバカマ園では蝶の数が予想以上に多くて、見事な乱舞が見られました。

マーキング調査の方も大変な成果が上がりました。2時間ほどの間に9頭のマーク蝶を捕獲しました。マーキングされた文字を読み取ってみると、次のような場所からやってきたことが分かりました。群馬県、長野県、富山県、石川県、京都府、兵庫県などで、その他は大島内でマーキングされたものでした。普段関西から大島にやって来る蝶は極めて少ないのですが、台風の風に流されたのでしょうか京都からと兵庫からの蝶がいました。マーク蝶の画像はまた何時かまとめでご披露いたします。

今日は青空に舞うあざきマダラたちの飛翔をご覧ください。

 


今日の音楽 (らんらんさんより)

ヴィヴァルディ 「四季より秋」 第1楽章 Felix Ayo

 

さわやかで、素敵なリズム。穏やかな秋の一日は宝物です。らんらんさんありがとうございました。


安高のフジバカマ園

 

このアサギマダラの群れの中に2頭のマーク蝶がいました。

 

佐連テニスコートのフジバカマ園

 

フジバカマに何頭のアサギマダラが写っているか数えられますか。

 

テニスコートは海岸から道路一つを隔てたところにあります。

道路を走る車からもアサギマダラの舞は見られます。写真撮影にはこのネットがないと素晴らしいのですが。

 

青空背景にするため、私が地面に寝っ転がって下からアサギマダラの舞うのを撮ってみました。

 

こんな青空とアサギマダラの大きな群れが同時に見られることはめったにありません。今日はとてもラッキーでした。

今週いっぱいよい天気が続くようですので、皆様アサギマダラの乱舞する所を見に大島に来られませんか。

暖かい日が続くとこのアサギマダラの群れはしばらく大島に滞在するものと思います。

 

 

 


パソコンが退院して来ました

2017年10月15日 | 日記

今日の花

ヒマラヤ原産の彼岸花  普通の彼岸花より20日くらい遅い開花です。

 


 壊れたパソコンはいろいろ問題もあったようですが、ようやく修理が終わり帰って来ました。電源ユニットの交換が必要なのは私にもわかりましたが、マザーボードにも問題があり交換されたようです。一応起動するようになりましたが、内部の機能テストをするとハードディスクにもエラーがあるそうで、交換を勧められました。ハードディスクの交換なら自分でもできるしまずデータを別のパソコンとハードディスクに移し換えなければならないので、今日はセッティングとデータの取り出しで一日がつぶれました。朝から一日中雨だったのて、みかんの仕事もお休みだしアサギマダラもお休みでこんな室内の仕事にはちょうど良かったと思います。

しばらくぶりで、ブログの形式を元に戻してみました。写真は昨日のアサギマダラの様子です。午前中曇ってはいましたが雨が降っていなかったのでアサギマダラと遊んできました。嬉しいことにマーク蝶の再捕獲が3頭ありました。今季最も多い数です。1頭は石川県の白山から飛んできた蝶で、2頭目は福島県のデコ平スキー場からのものです。3頭目はMALUという記号の所から飛んできたものですが初めての捕獲なので何処なのかよくわかりません。北の方からのアサギマダラがようやく多くなったのかもしれません。先週と違って日本列島全体で気温が下がってきたようなのでアサギマダラの南下にも拍車がかかるものと思われます。今週は雨の日が多いようですが、こんな雨の日にはアサギマダラ達はどうしているのでしょうね。

 


昨日のアサギマダラ


晴れた青空のもとで舞うアサギマダラが撮りたいのですが、今年はそんな日がありません。

 


退院してきたパソコン

 

全快で帰って来てほしかったのに、心臓移植だけではだめだったようです。今度は記憶をつかさどる脳に問題があるようですが、人間と違いPCはパーツの交換ができるのは羨ましい限りです。私は今目の調子が良くないのですが、パーツの交換で完璧に治るといいのにねー。ips細胞を使って人の部品が作れるようになるといいなと思いますがいつのことでしょう。

 

 

 


アサギマダラがやって来ました

2017年10月08日 | 日記

 皆様こんばんは。入院中の愛用パソコンがまだ退院してきません。写真ブログとして続けてきた私のブログですが、写真の掲載が今できないためにいま文字ブログになっています。書く時の私も辛いのですが、ブログを見に来てくださった皆様には大変ご迷惑をおかけしているようでさらに辛い気持になります。写真もたまっていますし、早く元の形に戻したくてパソコンの退院を待ち焦がれています。

 

 早いもので10月も第2週目に入りましたね。10月4日の中秋の名月は毎年のように海で眺めました。そして、10月5日にはあちこちの山を駆け巡りアサギマダラが来ていないか探し歩きました。今年はアサギマダラの大好きなフジバカマの開花が遅れています。それを知っているかのようになかなかやって来ません。6日は一日中降り続いた雨で何もできませんでした。7日にはようやく天気になったので、アサギマダラに会えそうだとまた山へ・フジバカマ園へと朝から出かけました。最初のフジバカマ園でようやく今年初めてのアサギマダラの群れに出会えました。ラッキーなことに群れの中で今年最初のマーキング蝶を見つけることができました。大事な蝶だけに逃がさぬよう慎重に網をふって捕獲しました。標識の文字を読むときがすごく興奮します。だれの標識だろうと心はやるものです。マーキングを行った人の標識記号はアルファベットの大文字3字で書くのが一般的です。このようなマーキング調査を何年もやっていると、この3文字を読んだだけでこのマーキング蝶は何県の誰々さんのものと分かるようになります。でも本当は誰の標識記号か分からないものの方が多いのです。7日に再捕獲したアサギマダラにはFYKの文字が書かれていました。この記号は初めてです。アサギマダラのマーキングには書いた場所も書かねばなりません。この蝶には「フジ山」と書かれていました。富士山からどのような経路を経て大島まで飛んできたのでしょう。また、マーキングにはそれを書いた月日を明記しなければなりません。このアサギマダラの文字は日付の部分が読みづらかったのですが、一応「H29 8/16」と読みました。間違っているかもしれませんが、このマーキング蝶を書いた本人が分かれば訂正してくださるものと思います。富士山から大島までやって来て私に見つけられるまで52日間かかっています。このアサギマダラはまっすぐに大島を目指して来たわけではありません、52日の間あっちへ行きこっちへ飛びといろんな所を旅してやって来たものだと思います。アサギマダラは蝶の中でも寿命の長い蝶です。150日以上生きた例はたくさんありますし、記録では180日を超えたアサギマダラもいるそうです。それだけ長生きをする蝶ですから、春に南の方で生まれたアサギマダラが北国まで行って夏を過ごし、秋になってそのまま南に帰ってくることも可能なのです。でもそのような行動はいまだ証明はされていません。ほとんどのアサギマダラは北国で繁殖して次の世代が南へ帰って来るものと考えられています。
このようにアサギマダラのマーキング調査はアサキマダラの生態を科学的に調査研究することとともに、たずさわった私たちにいろんな想像や夢をいだかせてくれます。

 

 今日、10月8日には山口虫の会のメンバーでマーキング調査会を行いました。山口県は横に長い県なので東部と西部に分かれて二か所で行い、東部地区では私の住む周防大島で行いました。この調査会の日までにたくさんのアサギマダラがやって来てくれるかと気をもみましたが、昨日ようやく大きな群れが大島に到達したのでホッとしました。5人の会員で201頭のアサギマダラにマーキングをしました。この蝶たちは寒さの訪れとともにさらに南を目指して飛んでゆきます。マーク蝶たちがみんな元気で無事に南の島々に渡ることができることを祈っています。

周防大島をアサギマダラが立ち寄って通過してゆくのはこれからひと月の間です。たった一日大島にいただけで飛び立ってゆく蝶もいますが、この大島がえらく気に入ったのか2週間くらい同じフジバカマ園に滞在する蝶もいます。


これからしばらくの間大島では、フジバカマの花とアサギマダラの乱舞する光景が見られますので是非一度おいでくださいませ。


 


みかんの季節

2017年10月02日 | 日記

 10月になりました。看板がいきなりミカンに変わりましたが、我が家(山本柑橘園)では今月より来年の7月末までの10ヶ月間に、みかんをはじめいろいろな柑橘類を生産販売しています。私の家は代々みかん農家で、と言っても私で3代目ですから老舗と胸を張れるほどではありません。京都などでは300年くらい続いて初めて一人前のお店というところもあります。京都人にとって先の戦争以来と言うときに、私たちよそ者が太平洋戦争のことを指すのかと思えば、その戦争とは応仁の乱のことだったりするという冗談のようなことが通用する土地柄ですから。私はそんな京都が好きでよく行きますが、住みたいとは思いませんね。ということで我が家は新参者ですが老舗にないこだわりを持っています。みかんやその他柑橘において常に新しいものを受け入れ、よりおいしく食べられる果物を探し求めています。簡単にいえば私が新し物好きなだけなのかもしれません。コンビニで「新発売」のラベルが貼ってあると直ぐに買いたくなります。そして結果はがっかりすることがほとんどなのですが(いつもカミさんに笑われています)、それでもめげずに「新発売」に手を出します。あれはコンビニの消費者心理をついた一種の販売手段なのでしょうか。お客さんをだますのは良くないと思いますが、我が家(山本柑橘園)ではわたしの好きな新品種に取り組み、私が食べてみて、そして周りの人にも試食していただいて納得のゆく者を新発売として紹介してゆきたいと思っています。
最近では柑橘の新しい品種として 南アフリカから来たジャクソンフルーツのことを紹介しました。そしてもう一つ、フィンガーライムのことも写真で紹介したと思います。ジャクソンフルーツについてはすぐには苗木が入手できないので山本柑橘園で販売できるようになるかどうかわかりませんが、フィンガーライムについては4年前に話題になるとすぐに苗木を入れましたので、今年から少しですが販売できるようになりました。先日、東京のあるレストランから注文があり、初めての出荷をしました。お客様に満足していただけるとよいのですが。今後需要が広がってゆくようであればこのフィンガーライムも栽培を拡大してゆきたいと考えています。今は国内でほんの少ししか栽培されていなくてしかも原産地のオーストラリアからの輸入もままならぬらしく希少性が高いため高価で取引されているようです。今はマツタケ並みの価格ですが庶民が気楽に使えるようになるには国内での生産量が相当増えないと無理でしょうね。

 そんな高価な新品種のことはさておき、秋になり最初に出てくるみかんは極早生みかんです。その年に初めて食べるみかんはオレンジ色に着色してはいるもののまだ緑の部分も残っていますが、柔らかな皮をむくと果皮の油胞つぶれて爽やかな柑橘臭が広がってきます。12月以降に食べる熟したみかんは甘いけれどあまり香りがありませんよね。極早生みかんの持つあの香りはもともと完全に熟す前の果物の持つ害虫や獣や人に食べられることを避けるための香りなのです。果皮がオレンジ色になって香りが弱まって来ると、みかんの木は果実としてはもう食べてくださいと信号を出しているのです。人は臭覚よりも視覚に頼って行動しますからみかんの木からオレンジ色に着色したものから順次収穫しますが、臭覚の鋭いイノシシは真夜中に畑に出てきてみかんの色は解りませんから香りを頼りに熟れたみかんを食べます。それは見事と言えるほど広いみかん畑の中から極早生みかんを探して食べ、それを食べつくすと次に熟してくる早生種のみかんを食べます。みかんの木が発散している「もう食べてもいいよー」という香りの信号をよく知っているのでしょうね。今年もイノシシにみかんを少しばかり食べられました。どこのみかん畑もすべてイノシシ除けの鉄柵で囲ってあるのですが、敵もさる者弱いところを見つけては破って侵入して来ます。この数日は毎日囲いの見回りをしていますが大変なことです。囲いの中においしい食べ物があることを覚えさせてはいけないのです。一度味を覚えさせると彼らも生活がかかっていますから、執拗に柵を破ろうとします。破られたところはすぐに修理してそこからはもう入れないのだと諦めさせねばなりません。これから来年の5月に南津海の収穫が終わるまでイノシシ・タヌキやカラス・ヒヨドリなどの鳥獣たちから果実を守らねばなりません。大変なことなのです。

 

 さて、話は変わりますが、10月になると私はがぜん忙しくなります。みかんの収穫も始まりますが、アサギマダラが大島にやって来るからです。趣味のことで忙しくなるわけですからストレスは全くありません、楽しくて忙しいのです。今日は雨が降っていますからアサギマダラは飛びませんが、北の方から南下してきたアサギマダラの群れの先頭は少し前に関西地方を通り過ぎていますから、今日あたりには中国山地の中ほどか広島県までは到達しているはずです。天気予報では明日も天気が良くないようですがもしも雨があがったら第一陣が大島に入る可能性があります。
昨日は天気がよかったので我が家のフジバカマ園を見張っていましたが、1頭だけとてもきれいな新鮮個体が来ていました。でもたった1頭ということは北の方から旅してきたものではなく、近くで生まれたアサギマダラだと思います。昨年は10月4日に初めて約200頭のアサギマダラが大島にやって来ました。それから徐々に数が増えてゆきピークの10月中頃には大島内には数千頭のアサギマダラが立ち寄っていたものと思います。昨年は長野県や福島県などの北の方でマーキングされたアサギマダラを大島内で40数頭見つけました。今年もマーキングされたアサギマダラがどこからどれだけやって来るかを楽しみにしています。そして大島に立ち寄ったアサギマダラはやがて九州に渡り、11月の寒さの訪れとともにさらに南の暖かい沖縄・台湾を目指して海を渡ってゆきます。2000キロメートルにも及ぶ長旅のできる不思議な力を持つアサギマダラに魅せられた人たちが全国にいますが、私もそのうちの一人です。10月半ばにはたくさんのアサギマダラがいると思いますので見にいらっしゃいませんか。

雨の日で暇なものですから長話になりました。