今日の花
今日は朝から雨で花の写真がありません。3日前のコスモスです。
アサギマダラが旅するおかげで全国のあちこちに知り合いと言うか友達ができるようになりました。北国でマーキングされたアサギマダラを私が周防大島で捕まえてその方に知らせます。そんなことを何年もやっているとこの蝶に書かれた記号は誰それさんのものと言うのが一目で分かるようになります。そしてそのアサギマダラを見ただけで書いた人のことが思い浮かびます。こうしたアサギマダラの縁で知りあう方が最近はずいぶん多くなりました。今日はアサギマダラの縁でとっても若い方と知り合いになりました。と言うのが、彼の書いた「ヒロシマ」マークのマーキング蝶を私がキャッチしたのです。その縁でお互いに連絡が取れるようになり、本日彼が大島にやって来ることになりました。彼は仕事の関係でお隣の広島県に住んでいます。今まで広島県にはアサギマダラの移動調査にかかわる方がいなくてマーキング調査の空白地帯でした。今後彼が広島県でのアサギマダラの移動調査に加わってくれることになると大変喜ばしいことです。
彼が初めて大島に来られるのに今日は朝から小雨が降っています。誠に残念なことですが天気のことは仕方ありません。雨の中を私が普段調査しているフジバカマ園を案内しました。傘をさしてアサギマダラを見に行くなんて初めてのことです。アサギマダラは全くいないと思っていたのですが雨の中を少しは飛んでいました。翅が濡れるだろうにそれでも飛ぶなんてすごいですね。傘の中から飛んでいるアサギマダラの写真を撮りました。
午後は食草についているアサギマダラの卵や幼虫を見に行きました。新しい卵もたくさんありましたが、早くに産み付けられた卵はもうみんな孵化していてごく小さな幼虫たちは葉に小さな丸い穴をあけて食べていました。この幼虫たちは無事に生き延びることができたら年内に蝶になります。そして南へ向かって飛び立つことでしょう。
もともと北海道で生まれ育った彼はこちらの方南国の蝶や虫は珍しいとのことです。同じ蝶マニアとしてこれから若い彼とも友達になれるといいなと思いました。歳の差50歳を乗り越えて。
今日の音楽 (らんらんさんより)
Samson Francois plays Debussy Suite Bergamasque
第2曲 「メヌエット」 (Menuet)
雨の中でのアサギマダラ
いつもの「夕日の丘」
ここにはいつもたくさんいるアサギマダラも観光客もいませんでした。
かなりの雨粒です
時々ものにとまります。
この日唯一のマーキング蝶を彼が見つけました。でもそれは地面に落ちていたのです。カマキリかなにかに食われたのか頭と道の一部がありませんでした。それでも見つけたということは移動の貴重なデータとして残ります。
午後には私のビオトープへ行ってアサギマダラの卵や幼虫の様子を観察しました。
イケマについた卵はすでに孵化していました。
アサギマダラの幼虫は葉に毒のある植物のガガイモの仲間を好んで食べます。小さい体でいきなり毒の葉を食べると死んでしまうので葉を丸くかじって葉脈を経ち毒を少なくしてから食べます。誰に教わるわけでもないのによく分りますね。
ガガイモの葉にも幼虫がいました。幼虫は生まれたばかりで幼虫の左に卵の殻が見えます。生まれた直後にはこの卵の殻を最初に食べます。無駄にしないのですね。
キジョランの幼虫 丸くかじった葉の内側を少しづつ食べてゆきます。もう2齢でしょうか、体に独特の模様が見られます。
オオカモメヅルの幼虫
コカモメヅルには大きいのと小さいのが付いていました。アサギマダラは時に共食いをすることがあります。コカモメヅルでは食料となる葉が少ないせいか共食いがよく見られます。小さい方は危ないですね。
ガガイモ 赤いテープの張ってある所の葉に幼虫がいます。食痕が見えます。
ホウライカモメヅル カモメヅルの中では常緑性です。
ビオトープにはアサギマダラの食草をいろいろ植えて観察しています。10月の初めごろ最初の雌がやって来始めたころはキジョランばかりに卵を産んでいましたが、最近になってどの食草にも産卵していることが分かりました。ただ産卵の比率からいうとキジョランが 一番のようです。