大分の由布川渓谷の公園でフジバカマにて吸蜜していた私の書いたマーキング付きのアサギマダラの写真を送っていただきました。公表することを承諾していただくことができましたので皆様にご覧にいれます。
他のアサギマダラ5・6頭と一緒にフジバカマに付いて吸蜜していたそうです。この写真撮影からもう5日経っているので今頃はもう鹿児島あたりにいるかもしれませんね。
この度のアサギマダラのマーキング調査に付いてまとめてみました。
アサギマダラは季節によってなぜ旅をするのか・何時何処を通って何処へ行くのか・このようななぞはまだ完全に解明されたわけではありません。私たち「山口むしの会」では毎年下関を中心にアサギマダラを捕獲してマーキングして放す調査を続けてきました。今年も10月16日に下関周辺で行われましたが数が少なく成果が期待できなかったということです。翌17日岩国の会員の方と私と二人で下関と反対の東部にある大島でもマーキング調査をやってみようということになり17日に20頭のアサギマダラを捕獲し私の自宅(安下庄)から放ちました。その後も一週間ほどマーキングを続けて50頭あまりのアサギマダラにマーキングをして放ちました。
その間18日には我が家の庭で別のマーキングアサギマダラを見つけることができたのです。書かれた文字を大阪の市立博物館で行われているアサギマダラのマーキングのホームページに問い合わせたところ富山市から飛来したアサギマダラと判明しました。向こうで放ったのは9月10日頃との事だったので38日間で直線距離約540kmを経て安下庄まで飛来したことになります。私は10年くらいアサギマダラの観察をしていますがマーキング蝶を見つけたのは今回が初めてです。
その後27日には、大分の由布川渓谷内の公園にあるフジバカマの花に集まっているアサギマダラの群れの中に私の書いたマーキンク蝶を見つけて写真に撮ったという方からメールの知らせが入りました。私にとっては初めてのマーキング調査でこんなに早く成果が出たことは本当に驚きでもあり、よい人に見つけていただいてラッキーの一言に尽きます。見つけた方は北九州市在住の山田さんという方で由布川渓谷へ写真撮影旅行に行かれた折の事だそうです。家に帰られて蝶に書かれた文字をインターネットで検索されたらしく運良く私のところが判明し連絡を下さったそうです。本当にありがたいことでした。
裏日本側のアサギマダラのは鳥取・島根・下関・福岡ルートが一般的と思われていましたが今回の富山からの飛来した蝶のことで瀬戸内ルートもあることが判明しました。大島は瀬戸内ルートの中継地としての重要性がある場所と考えられています。私どもの放ったアサギマダラは島伝いに海を渡り大分県に向かったようです。19日にはなった蝶が24日には由布川渓谷にいたことは直線距離130km余りを5日間で移動したことになります。
このような調査は沢山の人からのデータが集められて初めて効果を発揮することができるものです。研究者やマニアだけでなく一般の人にもマーキング調査のことをよく知って関心を持っていただきより多くの人からのデータが集まることを願いたいものです。先日新聞に函館でマーキングされたアサギマダラが1200kmの距離を飛んで下関で見つかったことが報道されていました。このような報道で多くの方にマーキングのことを知ってもらうといいですね。このブログをご覧になっている方もアサギマダラを見かけたら是非字が書いてあるかどうかを注意してみて下さい。見つけたらそのままにしないで発信元かむしの会などに連絡していていただきたいです。私のところへ知らせてくださったらまたみかん一箱?が届くかもしれませんよ。
HOT NEWS
10/30 14:15 只今新しい情報が入りました。富山からの蝶349番は正確には8月29日に富山市有峰で放たれたことが分かりました。
10月30日 今夜9時からNHKスペシャルでヒマラヤの秘境ブータンでの調査隊のことが放映されるそうです。私はもう録画予約をしました。
ネパールのお花畑の青いケシとか、8000m級の峰をこえてゆくアネハヅルの群れとか、ブータンの幻の大蝶とか、なんだか夢みたいなことがまだヒマラヤにはあるのですね。一度行ってみたいものです。
昨日と今日は天気もすぐれず庭に来たアサギマダラは1頭だけでした。渡りのシーズンも終わりが近いのかもしれません。
先日10月11日、孵化して卵から出てくる小さなアサギマダラの幼虫を紹介しましたが、今日現在終齢になって近々蛹化すると思います。蝶になるのは11月の半ばでしょうが南へ一緒に旅立つことができるでしょうか。
まだまだアサギマダラの写真
( 明るさが足りず絞りきれませんでした。多少ピンボケですがアサギマダラがどんなふうに飛び回るか皆さんに知っていただけるかと載せてみました)
蝶調おじさんの蝶々捕り
マーキングのための捕獲