快風丸

俺の船に乗らないか。

高山先生、お元気ですか?

2006-02-08 10:29:54 | Weblog
 ジャパネスク特集、第3弾でございます。

 こうざん先生は尺八の演奏家です。

思えば、一期一会でございました。
あれは数年前の春の宵のことでした。
高蔵寺に住んでいたころ、新しく始めたバンドの練習の帰り、仲間と2人、小さな居酒屋に立ち寄ったのでございます。
カウンターのみ10席ほどの狭い店でした。
常連らしき客が数人すでに居りました。ちょっと酔ってるご老人が声を掛けてきました。

「演奏の帰りですか?」

「練習の帰りです。」

「ギター、見せていただけませんか?」

 ケースを空け、赤いセミアコ(エピフォン リヴィエラ)を取り出した。

 音を聞きたいとおっしゃるので、少し弾いた。

 常連さんから先生と呼ばれていた。推定70歳。
尺八の演奏会の帰りだとおっしゃる。黒いハードケースを開けて、楽器を見せていただいた。無造作に数本、入っていた。

 「どれが一番高い楽器と思いますか?」

見当もつかなかった。
”一節(ひとふし)”といって、竹の一つの節で出来ている物らしい。

 「30万くらいですか?」

笑われた。はっきりとは教えてくれなかったが推定数百万、長い節というのは珍しく、希少価値だそうだ。ひとしきり尺八話を聞く。
最も聞かせたいところは最も音を小さく吹くところで、それを表現できるマイクが存在しないとか、いろいろな楽器と共演するのが面白いとか。

先生が、
 「せっかくなので、ここでなんかやりましょう。」


ギターを手に取り、ゆっくりとしたテンポでクラプトンのリトルウィングを弾いた。先生はアドリブでメロディーをつけてくれた。
狭い店内で、ロックと日本の心が溶け合って行った。

先生は名刺をくれた。
「演奏会やるときは是非呼んでください。」
とおっしゃっていただいた。

そのバンドは程なく活動停止したので、ステージでの共演は夢のままでございます。

高山先生、お元気でしょうか。