快風丸

俺の船に乗らないか。

田舎教師

2007-02-13 12:36:14 | Weblog
 読書を習慣にすべく取り組んでおります。
最近読んだ本の役に立たない書評です。

さて、明治の文豪、田山花袋さんです。
入社から5年ほど、大阪の会社の寮に住んでました。ロビーに”善意の文庫”
がありまして、「勝手に借りて行っていいけど返してね」という不文律を破り
気がつけば名古屋まで持ってきてたのがこの本なんです。手っ取り早く言えば
”借りパク”だ。が、その寮もずいぶん前に廃止、取り壊しになっている。
時効成立だ。

 タイトルくらいはなんとなく知ってました。私の父がまさしく田舎教師であ
ったし、私も教師をめざした時期があったので、気になる本ではあったわけで
す。あらすじは、文学を志す青年が、多少の紆余曲折がありながら、結局田舎
教師に甘んじて、病気で死ぬ。あら過ぎましたかしら。
 なんか少し、自分と重ねてみたりして、感情移入しましたよ。

 巻末に解説があり、そこには驚くべき言葉が。
「たいくつな小説」。
本人ではない、多分えらいひとが書いている。びっくりした。そして笑った。
だって、同じ書物の中にですよ、今読んだお話に続いてですよ、たいくつで
すっていう解説ですよ。

 文学って奥が深いなあ。