快風丸

俺の船に乗らないか。

リサイタルを開いたる いつの日か

2008-05-28 00:53:51 | Weblog
 出番は後ろのほうだ。ちっちゃい人から。
だんだん出番が近づいてくる。

 今年はなぜか超満員、立ち見がけっこういる。こうなってくると練習不足のハッタリピアニストは緊張というよりも、他人ごとになっている。
「ま、気楽に行けよ。俺。」

 初めて客席で聞くグランドピアノの音に感じ入ってしまった。下手が弾いても、グランドピアノの音って素晴らしい。弱く弾くとレスポールのフロントピックアップのトーンを絞ったような音が、強く弾くとストラトのリヤピックのピーキーな音になる。不思議だがとても気持ちいい。舞台袖ではわからなかったよ。
後ろの席で、楽譜広げてエアピアノを引き倒してました。

 「ここからは大人の生徒さんです。仕事も忙しい中、云々...。」
先生、そんな演出せんといて。さらりと流して。

 大人の一番はM姉さま。去年、連弾させていただいた米寿、ということは今年は米+1寿。上達してる。俺なんかまだ鼻ったれの小僧だ。

 さて、MCに呼ばれ舞台へ。ピアノの場合、客に対して横向きなんですね。鍵盤に集中すれば客席は視界の外になるんですね。
もうとにかく、集中することにした。どのみち、上手に弾いたところで誰も面白くもおかしくもなかろう。極端にいこう。弱く弾くところは泣こう、強く弾くところは怒りを叩きつけよう。

 レッスンでは出ないミスをいっぱいした。

「今日はいい音でしたよ。」

先生、ありがとう。