あまり広くないスタジオ。
3時間、あっという間にすぎる。
今年は、直前の練習では、声を張らない様に気をつけた。
だんだん、自分の限界を素直に受け入れられるようになってきた。
ボーカルという楽器は、ほんとによくわからない。
素晴らしいニュアンスに富んだ表現が得意だが、ボリュームもトーンコントロールもなければ、
弦もない。鳴らし方、強弱の付け方、音域。
なんとなくやってはいるけれど、ほんとに難しい。
ただ、最近、ボーカルとシングの違いについて、発見した。
ボーカルは、歌にリズムを持たせる仕事ではないかと。
シングは、バックの演奏に乗って歌うこと。リズムは、バックバンドの仕事で、シンガーは、
メロディーのみを担当する。
ボーカルは、バンドの構成員である。シンガーと違ってバンドと独立した存在ではない。
したがって、アンサンブルの中ではドラム、ベース、ギターなどと同じリズムを持っていなければならない。
ロックバンドのボーカルが、メロディーのみを歌っていれば、演奏全体が平板なものに
聞こえるだろう。
ボーカルは、打楽器の要素を持っていなければならないのだと言いかえることもできると思う。
バックなしでアカペラで歌っても、しっかりビートを感じさせるようでなくてはならない。
ボーカルとはなんぞ、という長年の課題が、自分の中では解決しつつある。
今回、初めてボーカルとして、そのあたりを意識しては見たのだが、自分が意識するほどは、
聞き手には伝わらないのだろう。
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