ミッシェル・ペトルチアーニを知ったのは、何気なく手にした図書館のCDだった。
耳に聞こえるというよりは、空間にイメージが出現する感じがした。あまり、音楽で感じたことの
ないものであった。部屋の温度とか、空気とか、そういったものが、変わったと感じた。
ミシェルのピアノがスピーカーから流れだすと、こうこうと蛍光灯に照らされた部屋が、
一瞬にして夜になったのだ。
なんとも力強く、そして、おだやかで、ときに柔らかく、直接に心に響いてきた。
ネットでその名を調べて、すごい人であると分かった。
生まれながらにして、骨が成長しにくい難病で、20歳まで生きられないと宣告されたらしい。
身長は1m、結婚をし、子供をもうけ、全ての人に愛され、それでも精力的に生き、36歳で亡くなったそうだ。
今、そのドキュメンタリー映画、「情熱のピアニズム」が公開中。
で、このCD、メンツもすごいが、演奏もすごい。圧倒的である。
ボーナストラックの「A列車でいこう」だけでも一聴の価値ありです。びっくりしますよ。
音楽なのに、列車が走るのです。それが映像として目に浮かぶというのとは違って、
心にイメージが伝わってくるのです。それは楽しい夢の列車に乗りました。
音楽とは、こんなに素晴らしい価値のあるものだと知りました。