いわゆるジャズファンの中には、上原ひろみが嫌いな人がいるらしい。
ジャズらしくないからという理由だそうだ。
アンソニー・ジャクソン、サイモン・フィリップスとのThe Trio Projectの2作目。
1日の流れを音楽で表現するというコンセプト。
前作で、存分に驚かされているので、同じようには驚かなかった。
正直、前作と似た感じがした。しかし、それは、初めて聞いた時の耳ざわりの話。
音楽の滝。流れ落ちてくる強く、激しい水に身を投げ出したとき、新しい鮮烈な
イマジネーションを感じる。
上原ひろみが嫌いだという人の意見は正しい。これは、ジャズではない。
そんな狭いジャンルがどうだなどというゴタクを一瞬のうちに陳腐なものにしてしまう。
いや、すでに音楽というものの概念すら変えてしまったのかもしれない。
なぜなら、このアルバムを聴いているとき心に起る変化は、今までに感じたこともないほど
深く、激しく、そして優しい。そういった何かが泉のごとく次から次から湧き出てくるのである。
このトリオが、ツアーに出るとき、「限界を決めずにどこまでも行こう。」と話し合ったのだそうだ。
ひろみとアンソニーとサイモンがですよ。
今までに無いものができてしまう道理である。
11/30のLIVEが待ち遠しい。