うたたね日記

アニヲタ管理人の日常を囁いております。

紅の中に

2022年02月12日 21時04分30秒 | ノベルズ
ぼんやりと曇りがちな金眼に映るのは、ティーサーバーの中でゆっくりと踊る茶葉。
その色が琥珀から赤へと移り変わる様は、まるで夕暮れの空のようで。
先刻、窓から見上げていたそれと同じく紅が濃くなるにつれて、嫌でも脳裏に今日の出来事を呼び起こさせて来る。


***


   「さっ、今日は珍しく早く仕事が終わったし、早く帰れそうだな。あ~お腹減った!」
    数時間後に訪れるであろう、鼻腔を擽り胃が歓声を上げそうな美味しい夕食を想像し、カガリは待ちきれないように足が早まる。
   が、その歩みが止まったのは、廊下の角を曲がる手前で、その名を聞いたからだ。

   「え!?お誘いしたの??ザラ准将を!?」
   「そうなんだって!何でも悪漢から助けてもらったらしいのよ。」
    
   遠慮もなくキンキン声で語らう女性が二人。声に聞き覚えがないがアスランの名が出たところを聞く限り、軍令部からここに所用があった帰りの事務官だろうか。
   興奮して色めきたった甲高い女性特有の声は続ける。
   「何でもね、ちょっとストーカーみたいな男に迫られていたらしいのよ。」
   「まぁ確かにカレンは美人だもんね。」

   (「カレン」・・・聞き覚えのない名だ。その子がアスランを誘っている、ということだろうか。)

   何しろ、あの『アスラン・ザラ』だ。眉目秀麗を体現したような男だ。
プラントにいた頃は、既に婚姻統制による婚約者がいたため、いい寄ってくる女性も少なかっただろうが、今は彼を縛るものはない。
女性たちが色めき立つのは当然のことだろう。
それは十分あり得ることだし、カガリにそれを止める権利はない。
アスランの自由意志に任せるべき…と、頭では分かっているのだが、何故か身体は勝手に壁の陰に隠れて女性らの話に聞き耳を立ててしまう。


―――続きはこちらから。


***


久しぶりにSS書き上げてみました。
最初は「運命の出会い記念日」に向けて―――と書き始めてみたんですが、ここ暫く創作活動から遠ざかっていたせいで、すっかり腕が落ちているorz💧
小説も絵と一緒で、やっぱり書いていないと腕が落ちてきますね。
なので記念日にアップするには恥ずかしすぎるので、何でもない日にこっそりとUP。
現在地元テレビで種のリマスター放送しているんですが、この前丁度48話を放送していて、アレを初めてリアタイで見たときのピュア♥な気持ちが懐かしくって(*´Д`)ハァハァ いや~いつ見ても何度見ても20年経っても可愛い♥
折角なので、ピュアな自分を振り返ってもらった結果、こんな感じになっちゃっただけ。多分感情面は基本、二人とも変わってない気がするのですよ。アスランはカガリのこととなると止まらないし、カガリは相変わらず自分に向けられる好意に関しては鈍い。一度運命の時にリセットした関係ですけれど、再構築もおんなじ感じで進むんだろうなって。私的には全然それでいいと思う。それでこそアスカガ✨―――書いて自己満足です♥(←いや、掲載するには凄い下手っぴすぎて残念なんですが💦)

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