うたたね日記

アニヲタ管理人の日常を囁いております。

「P_SP」(後編)

2022年04月16日 21時26分37秒 | ノベルズ
暗い海上をひたすら飛び続けるストライクルージュ。今のところ追手の機影はない。コクピット内にようやく緊張のとれた空気が満ち始めた。
「あ、今のうちにラクスもこのベルトで固定しておいてくれ。万が一、衝撃が加わったら身体をぶつけるといけないから。」
「わかりました。それにしても・・・」
「ん?」
「びっくりしましたわ。カガリさんがまさか私を抱き上げてくださるなんて。」
ようやく笑みがこぼれたラクスに、カガリも安心したのかモニターを見たまま軽い口調でそれに答える。
「軍事教練の時は一日懸垂百回は当たり前だったからな。懸垂は自分の体重を持ち上げることだから、ラクスのことぐらい軽いもんさ。」
「まぁ、頼もしい限りですわ。」
「とりあえず所定の場所までラクスを無事に送り届けるから、安心してくれ。」
ストライクルージュは真っ直ぐ飛翔していく。先ほどとはまるで天地ほどの差のある静けさに、ラクスは別の不安が湧き上がった。
「カガリさん、先ほどの皆さんはご無事でしょうか?」
「あぁ、SP達のことか?大丈夫。なんといってもオーブの中でも特に優秀な私のSP達だからな。もちろんキサカもいたけど。10人以上が束になったって敵わないさ。」
キサカ一佐、確かクサナギで指揮を執っていたオーブ軍の方。あの煙幕を投げつけていた大柄な男性が彼だと気づくのに時間はかからなかった。カガリは続ける。
「それに、地球軍事機構の重鎮たちだって大丈夫。彼らにもちゃんとSPはついているし、そう簡単に彼らの思い通りになんてならないよ。」
「それにしてもです。何故カガリさんがあのような場所に?」
今回の会議はオーブは絡んでいない。あくまで軍事機構側にはオーブ軍は配属されていない。
操縦桿を握ったまま、今度は神妙になってカガリは答える。
「情報が入ったんだ。最近地球連合軍事機構の依頼とは別に、所用不明な大型コンテナがマスドライバーで打ち上げられているというのをキャッチして。一体どこへ運んでいるのかミナに追尾させたら、L4コロニー群の塹壕に運び込まれていて。しかも受け取っていたのはプラント側の人間だった。」
「ということは・・・」
「いつの世も、人間は一枚岩になることはできない、ということだな。」
プラント内でも不穏分子がいることは知っている、しかも常に自分の命を脅かしていることも。称賛の裏側にある陰の存在。照りつける日が眩しいほど、落とす影も濃く暗い。カガリは続ける。
「コンテナの中には核はないらしい。ミナの報告に間違いはないはずだ。だからあれはデコイだと思う。」
「えぇ、私もそう思いますわ。でもそれが通常のミサイル一発でも、プラントに当たってしまったら、そこに住まう方々の命に危険が生じます。それだけはなりません。」
「ラクスの思いがわかったから、キラも向かったんだろうな。やっぱりラクスの判断には間違いなかったんだ。」
そう言ってもらえると、ラクスとしても心が少し軽くなる。と同時に彼女にしては珍しく、少し拗ねた口調で問いただした。
「キラは、SPに貴女がいらっしゃるとご存じでしたのね。」
でなければラクスの傍を彼が簡単に離れようとすることはない。核心はもてなかったが自信はあった。するとカガリは苦笑した。
「私はラクスみたいに先見の眼もないし、頭だってよくない。ミナの言っていることに間違いはないとは思ったが、不穏分子の目的と、軍事機構側との関りが本当にないか、会議に極秘で乗り込んででも、自分の目で世界の現状を確認しないと気が済まなくてさ。…まぁ、「代表自ら危険は冒すな」って散々叱られたけど。」
叱られた・・・誰にだかわかる。彼女のこととなると、目の色を―――鮮やかな色を宿して―――変える彼。
彼女を前に表情豊かにお説教している姿が目に見えて、ラクスはフフと笑う。
「あらあら、ご馳走様ですわ。」
だが、空気が和んだのはそれまでだった。
<ピーピーピー>
ロックオンの警告がけたたましく鳴り出す。すると直ぐに
<ドン!>
「キャァッ!」
「―――っ!」
激しい振動が背後から襲う。


―――続きはこちらから。


***


こんばんは、かもしたです。
一昨日コロナのワクチン打ちに行って、昨日は腕の痛さだけで済んだので、よかった~♪( ̄▽ ̄)と気を抜いていたら、まさかの昨夜熱発し始めてビックリ(゚Д゚;) 37.8度まで上がり始めたので、そこから解熱剤飲んでとにかく睡眠とったんですが、お陰様で今朝はもう平熱になっていて、食欲もあり、ほぼケロッとしてました。
やっぱり副反応を少しでも軽減させるなら、十分な睡眠と水分の摂取だな~と心より思った次第です。
なので今日は後編を書くことができました!(≧▽≦)b
後編…というか結局前編も結構書き直しましたので、ほぼ全編書き直してお届けした感じです💦
なので、できましたら前編からもう一度読み直していただけるとありがたいです<(_ _)>
ここから下はネタバレになりますので、出来ましたら読んでいただいた後に見てくださいませ♥

「P_SP」の意味は、「Princess _ SP」の意味で、_のところには「of」だったり「is」だったり入れると、「ラクス様のSP」とか「SPは姫様(カガリ)」とか、色々取れるので、あえて空間にしてあります。
でも、本当に今回は思い付きで書き出したのですが、難しかったです。
というのも…やっぱり凡人には「ラクス様のお考えになられることが想像できない」のです( ;∀;)💧 彼女が主人公なので、彼女のモノローグとかにするんですけど、頭の中でラクス様が考える時の言葉遣いとか、発想とか、これが凄く難しい💦 結局文語調にしたので、固くはなってしまいまして…どうしても想像できないんですよ(ノД`)・゜・。
更に想像できないのが、「キララクのイチャイチャ」(笑)
キラはフレイちゃんとやっちゃってますから(ヲイ)経験ないわけじゃないんでしょうけれど、あれも恋愛を重ねた上の結果ではなく、勢いというか逃げた結果、ああなった、という印象ですしね。無印でもラクス様の方が積極的で、キラはそこまででもない(※ロマンアルバムによると、両澤さん曰く「キラは誰のことも(恋愛として)好きになってはいない」)感じなので、想像しにくい、という。
福田監督も「キララクの二人は、普通の若者の恋愛というより、老齢の域に近い感覚」とおっしゃっていましたし。(「いい天気だな、ばあさんや♪」「そうですね、おじいさん♪」的な(笑)) 
それを思うと本当にアスカガの恋愛は初々しいというか、順当に愛情が育っている感じで分かりやすいですね。運命ではユウナの件もあって、一足飛びな恋愛を進めすぎて、そのせいもあって拗れた部分もあった気がしますが、それも一つの恋愛過程だと思うと、二人は非常に想像しやすいです。感情移入しやすい!✨
なので、リアタイ運命放送時はあまりにもキララクが「神様夫婦」みたいに、何でもお見通し✨な感じで、どんな相手でも敵わない感じがしました。でも、果たしてそれが二人の望みかといえばそうではない気もします。特にラクス様は、無印の時からキラには想いを寄せている仕草や言葉が見て取れましたので、彼女も普通の恋愛のように愛情を育てていきたいんじゃないかな、と思ってます。多分人間的にも未熟だったアスカガが普通に愛情を育てているのを見たら、羨ましいんじゃないかな(笑) きっとアスカガに唯一敵わないところって、そこなんだろうな、と。なので今回は「ラクス様の不安(嫉妬)」を形にしてみました♥ 私的には思いっきりアスカガをイチャイチャさせられて満足ですよ♥ 
この後是非ともキラ君には、頑張ってほしいですね。最初は帰りのシャトルの中でおねだりさせようと思っていたんですが、あんなアスカガを見せつけられたら、みんなが見ている前であろうとおねだりしちゃってもいいんじゃないかと思ってw ラクス様も普通の女の子…そんな感じで広い心で受け止めていただければありがたいです(ー人ー)
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