KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

マラソンを愛する皆様、こんにちは。
2022年は積極的に更新していく心算です。

アーカイブス「マラソン春秋」vol.12~ケーチ君、上州を走る

2007年09月22日 | 「マラソン春秋」アーカイブス
説明せねばなるまい。

僕が最初に作ったサイトにて、マラソンにまつわる雑文を「マラソン春秋」というタイトルで発表していた。

2004年の9月、アテネ五輪終了直後にサービスが停止し、gooに移行したのだが、その際に「マラソン春秋」のバックナンバーは、サイト上では公開できなくなった。

随時、「アーカイブス」というタイトルで、再録してきたが、新サイト移行後は、これが初めてである。

今回は、今や「土佐礼子の夫」として一躍知られるようになった、村井啓一さんについて、彼が2003年のニューイヤー駅伝を走ると決まった時の展望記事を紹介しよう。

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ニューイヤー駅伝展望~愛媛のロードから上州路へ
at 2003 01/01 01:11

皆さん、西暦2003年明けましておめでとうございます。本年も僕のウェブサイトのメインである「マラソン春秋」をよろしくご愛顧のほど、お願いします。

さて、夜が明ければ、群馬では全日本実業団対抗駅伝大会、通称ニューイヤー駅伝がスタートする。個人的には、学生さんの箱根の山登りよりも、こちらの方が楽しみなのだ。

ずぱり、10位までの僕の予想順位は、

1位 中国電力
2位 旭化成
3位 トヨタ自動車
4位 日清食品
5位 コニカ
6位 富士通 
7位 NEC
8位 大塚製薬
9位 カネボウ
10位 ホンダ

このところ、というか現在の100kmコースとなってから、東日本が優勢に立っているが、あえて、願望と期待をこめて、中国電力と旭化成を上位に推した。特に旭化成は、バンコクアジア大会10000m金メダリスト、高尾憲司がカムバック!というだけに、今年こそ、久々に「強い旭化成」が戻ってきそうだと期待している。

そういった、チームとしての優勝争いと別の面での大きな興味が、愛媛出身ランナーの活躍への期待。今回、愛媛出身のランナーは3人出走する。四国電力の飯尾靖孝と若本和昭、そして、NTT西日本大阪の村井啓一。

特に大プッシュは村井啓一。理由はひとつ。僕の母校、松山大学陸上部出身だからだ。

彼の経歴を紹介すると、出身は広島で、五日市高校出身。同学年で、熊野高校には、来年の世界陸上マラソン代表に内定した、尾方剛がいたという。ちなみに、同学年には元エスビーの渡辺康幸、松山商出身で順天堂大では主将もつとめた安永淳一らがいる。

松山大には1年浪人して入学。3年の時には中四国選抜チームの一員として、出雲駅伝に出場。4年の時には、中四国学生駅伝で松山大3位入賞に貢献。わが母校が、最も伊勢路の全日本大学駅伝に近づいた年だった。

卒業後はNTT四国に入社し、愛媛駅伝や愛媛マラソンを目標に競技を続ける。もちろん、一般社員として勤務した後のトレーニングである。その頃より、NTT関西の合宿にも参加していたが、2000年12月に大阪へ転勤。既に、NTT関西はNTT西日本大阪と改称し、練習時間の体制は四国と同様だったが、そこには、関東や関西の強豪校出身のチームメイトたちがいた。彼らとのトレーニングで実力をつけ、従来は2時間30分台だったマラソンのベストを、昨年のびわ湖では21分台にまで短縮した。

愛媛駅伝から、上州路を走ったランナーというと、今回の四国電力の2人のように、高校の陸上部時代に愛媛駅伝に出場したランナーばかりだが、村井君のように、大学、社会人で愛媛駅伝を走ったランナーが上州路を走るのは、初めてではないのだろうか?かつては、愛媛の実業団、クラレ西条の選手も全日本実業団駅伝を走っていたが、少なくとも、大会のコースが上州路に移った'88年以降では、初めてかもしれない。

いずれにしても、僕と同じレースを目標として走っていたランナーが、元旦の上州路を空っ風を受けて走るのだ。わくわくする気持ちを分かっていただけているだろうか?

防府で力走したエース、大崎悟史は故障で欠場するという。あれだけの激走をしたのだから、やむを得ないかな、とも思う。ぜひ、彼に続いてほしい。仕事を終えて、暗いロードやトラックで練習するNTT西日本大阪に、数年前、テレビ局は「ふくろう軍団」というニックネームをつけたという。

ふくろうたちの走りにエールを送ろう!

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村井さんのランナーとしてのキャリアを過不足なくお伝えできたと思う。この年が村井さんにとっては初めてで最後の上州路だった。

NTT西日本大阪は37チーム中36位でゴール。村井さんは6区(11.8km)を36分45秒で駆け抜けた。区間順位は35位。この時、同じ区間のトップは徳本一善(日清食品)。松宮祐行(コニカ)、高尾憲司(旭化成)といった強豪の名前が並ぶが、アラコ(現トヨタ紡織)の6区は、現デンソーのコーチである若松誠さん。京セラ時代のチームメイトで、今も「ママさんランナー」として競技を続ける若松(旧姓・永山)育美の夫である。偶然にも、現在「ミセス・ランナーを支える夫」が同じ区間を走っていた。

この後村井さんは故障に苦しみ、駅伝のメンバーには入れず、翌年のびわ湖毎日マラソンを最後に大阪のチームを離れた。

その翌週、名古屋で、トップでスタジアムに戻ってきた土佐を、チームメイトの渋井陽子とともに客席から手を振って迎える村井さんの姿がテレビにも大きく映し出され、僕は思わず笑ってしまったが、名古屋に出場した知り合いの女性ランナーや一部の週刊誌が村井さんを「渋井の新しい恋人」と思っていたというのには、さらに笑えた。

最後に、この年のニューイヤー駅伝の僕の順位予想と結果とを比べてみた。

    予想       結果
1位 中国電力      コニカ
2位 旭化成       日清食品 
3位 トヨタ自動車    中国電力
4位 日清食品      NEC
5位 コニカ       カネボウ
6位 富士通       旭化成
7位 NEC       トヨタ自動車
8位 大塚製薬      ホンダ
9位 カネボウ      富士通
10位 ホンダ       ホンダ浜松



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