名古屋市野鳥観察館は、新型コロナウイルス感染拡大防止の対策をして開館しています。
来館時には、マスクの着用等のご協力をお願いします。
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藤前干潟
今日の干潮時間10時50分 潮位 90cm
今日の満潮時間16時32分 潮位210cm
今日は、野鳥観察館の北西向きの窓がガタガタ音を鳴らし、壊れるのではないかと思うほどの強風でした。
まだ稲永公園のソメイヨシノは満開ではないですが、桜の花びらがちらちらと舞う光景も見られました。
3月も終わりが見えてきました。
周りでは進学、引っ越し、就職、異動などの話題が飛び交うようになっていて、嬉しくなったり寂しくなったり、心が少々せわしないです。
そして、そろそろ、春の渡りの途中に訪れるシギ・チドリが藤前干潟にやってきだしても良いころです。
今日は、春の渡りで例年最も早く藤前干潟にも飛来する「オオソリハシシギ」を扱ったとても美しい絵本「めぐり めぐる」をご紹介します。
『めぐり めぐる』
作:ジーニー・ベイカー
訳:わだ すなお
出版:ポリフォニープレス
絵本「めぐり めぐる」が扱うオオソリハシシギは、大型のシギの仲間で、最大の特徴は上に反った長い嘴です。
春に見られる夏羽のオスのオオソリハシシギは頭部から腹部ほどにかけてがレンガ色(赤褐色)で美しいです。
オオリハシシギは藤前干潟では春と秋に観察できる旅鳥で、長い旅の途中の休息や栄養補給のために藤前干潟などの中継地に立ち寄ります。
そして、何より、数多くいる渡り鳥の中でも特に驚異の旅をすることで知られています。
オオソリハシシギに発信機をつけた調査では、アラスカ(繁殖地)からニュージーランド(越冬地)までの約1万キロを飲まず食わずノンストップで9日間飛び続けた個体がいたことがわかっています。
そんな過酷な旅を毎年行って命をつないでいる魅力的なオオソリハシシギを、この絵本ではコラージュ(貼り絵)という技法を用いて描いているそうです。
オオソリハシシギなどが浮き上がって見えて、とても美しい作品です。
見ていて楽しいのはもちろんなのですが、絵本の物語の中からオオソリハシシギの生態や生息地の状況についてよく知ることができ、大人が読んでも多くの気づきがあります。
ぜひ、手に取って見ていただけると良い絵本だと思います。
野鳥観察館にありますので、ご覧になってみたい方はスタッフまでお声をおかけください。
また、絵本の詳細が出版社のウェブサイトに掲載されていますので、こちら(出版社ポリフォニープレスのウェブサイト)をご覧になるのもおススメです。
なお、藤前干潟では、オーストラリアのビクトリア州で標識をつけられたあるメスのオオソリハシシギが2012~2014年の3年連続で観察されたことがありました→2014年4月27日のブログ。
オオソリハシシギで藤前干潟と世界がつながっていることを強く感じた出来事でした。
また、付け加えると、2014年のこの頃に比べて、オオソリハシシギ(その他のシギ・チドリの仲間の多くも)の藤前干潟への飛来数はさらに減少しています。
そういったこともあり、今年の春はどれくらいのオオソリハシシギたちが藤前干潟に飛来するのか、とても気にかけています。
もうすぐ会えるはずです。
昨日観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ5、カンムリカイツブリ267、カワウ54、ダイサギ2、コサギ26、アオサギ7、マガモ2、カルガモ35、コガモ19、ヒドリガモ15、オナガガモ1、キンクロハジロ84、スズガモ666、ミサゴ3、ハヤブサ1、オオバン1、ダイゼン9、ハマシギ749、ダイシャクシギ1、ユリカモメ84、セグロカモメ50、オオセグロカモメ1、カモメ100、ズグロカモメ7
今日観察できた主な野鳥 カンムリカイツブリ88、カワウ10、ダイサギ2、コサギ11、アオサギ7、マガモ8、カルガモ21、コガモ31、ヒドリガモ9、キンクロハジロ1、スズガモ511、ミサゴ2、オオバン2、シロチドリ2、ダイゼン16、ハマシギ650、ダイシャクシギ1、ユリカモメ109、セグロカモメ16、オオセグロカモメ1、カモメ7、ズグロカモメ2
明日の干潮時間11時23分 潮位 67cm
明日の満潮時間17時15分 潮位231cm