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奥田英朗「無理」 感想

この本を読みながら僕はニューヨークに旅行する準備をした。
そして旅行は大成功で帰って来て、今日この本を読み終えた。
この本の舞台は日本海側の田舎町だと思う。
ずっと灰色の空が垂れ込めていて、そこに暮らす人の気持ちを滅入らせる。
人々は今年の冬は寒いと皆つぶやく。
皆、こころが冷え切っていた。
地方では出来のいい人は都会へ出て行ってしまう。
残るのは弱者だけ。
一生懸命生きようとしても報われない。
「でもうまくいかないなあ、人生って頭悪いとなかなかはい上がれないよね」
僕は暗い内容に寒空が浮かんだ。
でも僕はやさしい文章に救われた。
僕はちょうど気持ちが飛んでいて、地に足が着かない状態でいたけれど、
この本を読んでいて落ち着いた気持ちになれた。
気持ちがやさしい文章がブルース・スプリングスティーンのように感じて読み終えた。
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