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「タラント」角田光代さんを読んでの感想

「タラント」角田光代さんを読んでの感想です。
僕はこの本をスポ根物と思ってと「タラント」という僕が通っているべてるの家の作業所の名前を思って、表紙カバーの絵も見て札幌の本屋で買って読み始めました。
ところがスポ根ものだと思って読み始めたのだけどスポーツの話が出て来ない。
やりたいことをやれない見つからない主人公みのり。いじいじしたみのり。
でもそれでいいのだ。情けない自分が正直でいいのだ。
僕は読んでスカッとはしなかったけれど何か温かいやさしい気持ちに成りました。
その中で反戦を静かに訴えていた。

清見さんは出征の前の夜、食事に好物ばかり並んだ。
僕の好物は何だったかな。
僕のお母さんはきんぴらごぼう、卵焼きが得意料理だったな。
「それ見ろ。よけいなことを考えたり、思ったりすれば、なおのことがっかりするんだ」

やりたいことがある。僕は幸せだな。それが僕の「タラント」かな。
それぞれの人がそれぞれ生きていけばいい。
情けないままで情けない自分でいいのだな。

人の出会いは不思議なもの。
ある日友人がふっと浮かんで来るのかもな。

ずっとボランティアって何?と考え続けたみのり。
みのりは清見さんの力に成れたのだ。

すごくやさしい本でした。僕の大切な一冊に成りました。
僕がさみしく落ち込んでいた時に寄り添ってくれた本でした。
また落ち込んだ時に読み返そうと思います。
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