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「神さまのビオトープ」凪良ゆう を読んでの感想です

「神さまのビオトープ」凪良ゆうさんを読んでの感想です。
主人公うる波さんと鹿野くんがそれぞれの人に会うエピソードを書いている。
でもうる波さんの夫、鹿野くんは交通事故で亡くなりうる波さんはその後他の人には見えない、うる波さんだけにしか見えない鹿野くんと毎日暮らしている。
まあ言ってしまえば幻覚を見ながら暮らしている女性の話なのだけど。
僕も昔は幻聴があった。好きな人がささやきかけてくれる幻聴だった。今はもう聴こえないけれど。
でも当時は僕は幻聴に助けられていた。誰も話す人がいない僕を助けてくれていたと今も思います。

でもこの本の主題はそういういわゆる病気の話ではなくてそれぞれの人が持っている大切なもの。
その壊れて無くなってしまいそうなもろい物を必死で守ろうとしている。それを誰も否定出来ないししてはいけないと思う。
みんなそんな大切な物を一生懸命に守ろうとして生きているのかなと思いました。

僕は読んでいてうる波さんと鹿野くんのほんのりと幸せな世界にうっとりとしました。
でもそのはかない世界は必死になって守らないと簡単に壊れてしまう。その切なさにつらくも感じました。
みんながんばっているのだなと思いました。

でも僕は論理的にこうだと言い切れない世界が僕は苦手だな。分かりそうで分からない。でも僕もそういう世界に暮らしていた。
いや今も僕はそういうギリギリの幸せで暮らしている。
僕だけでなくみんなそうなのかなと思いました。
でも僕はうる波さんと鹿野くんとのやり取りをうれしくなって読んでいました。
でも難しい世界だなと思いました。
何か読み終わってよかったと思うような考えさせられるというか一言では言えない気持になりました。
渚良ゆうさんのその後の作品、本屋大賞受賞作の「流浪の月」を読もうと思います。
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