・片手袋の聖地②~東京湾奥~
前回は軍手やゴム手袋など作業系の片手袋がいつでも大量に観測出来る、“片手袋の聖地”という概念をご紹介すると共に、具体例として築地市場を取り上げた。
念のため、片手袋の聖地になる二つの条件を書いておく。
①まず、大前提として“手袋が多く使用される場所である事”。手袋の絶対数が多ければその分、落とされる可能性も高くなる。
②“忙しい場所である事”。忙しければ忙しいほど、手袋への意識が低下して片手袋が発生しやすくなる。
さて、今回は僕が東京で発見したもう一つの聖地について。
もう一つの聖地は少し範囲が広いのだが、千葉市と横須賀市を結ぶ国道357号(東京湾岸道路)の有明から新木場くらいの区間、及びその周辺の月島や晴海、豊洲といった、釣りの世界で“東京湾奥”と呼ばれる地域である。
この辺りは周辺に運送会社や食品会社の倉庫が乱立しており、手袋の使用頻度が高い。また、特に運送業などはスピードが命となってくる為、忙しさも兼ね備えている。つまり、聖地の二つの条件を見事に満たしている。
この近辺には作業中や荷台に積み残されて走行中に落ちたであろう片手袋が、路肩や埠頭に驚くほど沢山落ちている。僕は釣りが趣味なので、湾岸線をバイクで走行する機会が多いのだが、いつもその数には驚かされる。
※(写真はいずれも東京湾奥の路肩や埠頭で出会った片手袋)
最初に点々と落ちている片手袋に気付いた時は、「ヘンゼルとグレーテルが森で目印に落としていったパンか!」という、少々長めの突っ込みを心の中でしたものである。いや、本当はしていない。
前回と今回、二つの片手袋の聖地について書いたが、本当はもう一つ、しかも全国規模の片手袋聖地として“高速道路”が挙げられる。
高速道路については片手袋研究者以外でも「高速道路って手袋が沢山落ちているな~」と気付いている人が結構いるようだ。僕は未見だが、『探偵ナイトスクープ』でも取りあげられた事があるらしい。
まあ、これに関しては何故落ちているのか比較的理由は推察しやすい。高速トラックやダンプカーは荷台に手袋をぶら下げている事が多く、またこの記事で触れたようにオイルキャップに手袋を被せる事も多いらしい。高速走行中にそれらが落ちてしまうのが真相だろう。
しかし、いかんせん高速走行中なので高速道路の片手袋は写真で記録出来ない、という難点がある。これは片手袋研究においてはマイナスポイントである為、未だに聖地認定はしていない。
さて以上のように、冬場はまち中や建物内を隈なく、それ以外の季節は上記の聖地を重点的にチェックする事で僕の片手袋ライフは年間通じて可能になっているのである。
さて、次回からの“月曜日の研究発表”は僕の長年にわたる片手袋研究最大の成果、“片手袋の分類法”について書いていこうと思う。