・第一段階“材質による分類法”
先週からいよいよ、片手袋研究の本丸である“片手袋の分類法”に突入した。
先週は導入として、分類は三段階を経て行われる事を記した。念のため、以下に三段階の手順を再記する。
第一段階:“手袋の材質”によって分ける。
第二段階:“片手袋がどのような過程を経てそこに存在しているのか?”によって分ける。
第三段階:“状況や場所による分類”をして完了。
大まかな流れを把握しておく為、左の図では具体例として“茶色いゴム手袋”を分類してみた。先週もアップしたが細かい用語などは気にせず参照して欲しい。
さて今日は第一段階、“手袋の材質による分類法”。
手袋には手の保護・滑り止め・ファッションアイテムなどの用途があり、それぞれの用途に見合った手袋が様々な材質で作られている。
この材質の違いに着目し片手袋を分別していくのが第一段階である。何故なら、材質の違いはそのまま落ちている場所や季節の違いを反映するからだ。
今までの長年の研究で僕が出会ってきた大量の片手袋は、材質によって以下のように分ける事が出来る(実は近年、とある社会的な流行によりもう一つ種類が増えたのだが、それはまた後日)。
①ファッション類②軍手類③ゴム手袋類④ガテン類⑤ディスポーザル類
一つ一つの特徴について触れていくが、長くなってしまうので今日はまずファッション類と軍手類、ゴム手袋類について。
①ファッション類
“材質で分ける”というからには、ファッションとしての手袋は皮とか毛糸とか布とかに分けるべきだが、片手袋の世界ではこれらは全て“ファッション類”として分類する。
何故なら、このタイプは 「皮だからこういう場所に多い」とか「毛糸は布と違ってこの時期に多い」という違いは見られず、いずれも冬の寒い時期を中心に、まちのいたる所で観測出来るからである。
爽やかな春、暑い夏、心地良い秋。ファッション類はいずれの時期も登場の機会がないので、ようやく寒い冬が来て、色とりどり、形状も豊富なファッション類の最盛期は片手袋観察者としてやはりテンションが上がる。
またこのタイプは、やはり落とし物としての“もったいない感”が大きい為、あまりぞんざいな扱いを受ける事はない。端的に言うと、見付けた人が拾ってあげて目立つ場所に置いてあげている事が多い。
②軍手類
最も出会う機会の多い“作業系”代表の片手袋。長年片手袋観察をしていると正直出会っても感動はないが、軍手類も細かく見ていくと色々なタイプが存在するのでやはり面白い。
軍手を大きく二つに分けると、ゴムの滑り止めが付いているタイプと付いていないタイプがある。付いていないタイプでも軍手そのものの色が何種類かあるし、付いているタイプではゴムの色や、ゴムがドット状になっていたり手の平面が全てゴムになっていたりバリエーション豊かである。
このタイプはファッション類ほど大事な扱いを受けておらず、誰にも拾われぬまま放っておかれている事が多い。特に雨の日や水回りに落ちている場合、殆どゴミ同然に汚くなってしまうのも軍手類の特徴である。
観察時期に偏りはなく、年間通じて出会う事が出来る。地味だがこのブログを年間通して更新出来る最大の功労者。
③ゴム手袋類
軍手類と同じく作業系の代表選手。軍手類との大きな違いはカラフルなバリエーション。
「一体日本国内には何種類のゴム手袋が流通しているんだ?」と不思議になるぐらい様々な色、形がある。そして洋服と同じように流行りの色があるのも面白い。
また独特の光沢感が味わい深かったり、軍手類に比べて水回りの使用が多い為か、意外な場所で出会う事が多い。その為か、軍手類と似ていながら、見付けた時の嬉しさは若干上回る。
こちらも観察出来る季節に偏りはない。
次回は残る二つ、ガテン類とディスポーザル類、そして近年新たに観測され始めた“第六の片手袋”についても。