ちょっとしつこいが、月曜日の研究発表、暫くは毎回片手袋の分類法の流れを最初に書いておきたいと思う。
片手袋の分類は三段階を経て行われる。三段階の手順は以下の通り。
第一段階:“手袋の材質”によって分ける。
第二段階:“片手袋がどのような過程を経てそこに存在しているのか?”によって分ける。
第三段階:“状況や場所による分類”をして完了。
第一段階、材質による分類法で片手袋は以下の五つに分けられる。
①ファッション類②軍手類③ゴム手袋類④ガテン類⑤ディスポーザル類
先週は①~③まで書いたので、今週はその続き。
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④ガテン類
軍手でもゴム手袋でもなく、といってファッション類でなく何かの作業に使われるのであろう分厚い片手袋。工事現場などでよく見掛けるが、妙に頼もしい存在感がある。
皮で出来ている事が多い為、そのひび割れ具合などによって独特の凄みを醸し出している。
観測出来る季節は通年だが、各種工事の多い冬場に若干多い気もする。
⑤ディスポーザル類
“ディスポーザル”とは主に医療や飲食業界で使われる薄いゴムやビニールで出来た衛生用手袋の事。
このタイプをわざわざゴム手袋類と分けたのは、透明で薄いディスポーザル類を見付けるのはかなり困難な為、見付けた時の喜びが他のタイプとはまた違うから。
他のタイプと比べ絶対数は少ないが、見付けると嬉しい片手袋だ。
観測季節は通年。場所に偏りがあるように思われるが、意外に町中の色んな所で見掛ける。
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以上で第一段階全五種類の紹介が終わったが。最後にもう一つ。
近年、上記五種類以外で急速に観察数が増加している片手袋があるのだ。
それは自転車ツーリングのブーム以降増えた“自転車類”、すなわち自転車用グローブだ。
これらの材質的な共通点は、メッシュのような素材で滑りにくい加工がされており、大抵紫や赤など派手な色をしている事である。
観測季節は通年、場所は路肩が多い。
新しく第一段階、六つ目の種類として加えるにはまだまだサンプルが足りないのだが、このまま自転車ブームが去らない限りその日は遠くないだろう。
以上で第一段階の説明は終わりである。来週月曜日は大晦日なので更新出来るかどうか分からないが、とにかく次回から第二段階に突入していきたい。
どうしても見たい展覧会があったんですけど、気が付くと最終日になってました。
「確か八時までだったな?」と、仕事終わりに猛ダッシュで美術館に向かいました!
なんとか七時半くらいに到着。ゼイゼイ言いながらも、「良かった~」と会場に入ると…。
僕の勘違いだったみたいで、展覧会は七時で終り。八時までやってるのは一階のミュージアムショップだったのです!
でも、電車に飛び乗ろうとして直前でドアが閉まっちゃった人みたいに、何事もなかったかのようにミュージアムショップをひと回りする僕。
間に合わなかった事も残念だけど、今考えてみると「いや、僕は別に最初からミュージアムショップが目当てだったんですけど、何か?」という感じで余裕かましてた僕の態度はもっと残念!
美術館というお洒落空間で取り乱すのが恥ずかしくてね…。一体誰の目を気にしてたんでしょう?
で、美術館から出て目の前にあったのが今日の片手袋。
せめてもの救いでしたよ…。
これは片手袋を撮り始めてすぐに出会った、軍手の指先だけの写真です。
軽い気持ちで始めた片手袋研究でしたが、こいつのおかげでその世界の奥深さに気付かされましたね。
だって「二つで一組の手袋が片方だけになって、しかもそこからさらに指先一本だけになって落ちている」んですよ?もはや片手袋だか何だか分からなくなって、「一体なんなんだ!」と叫びましたよ。
でもそのおかげで、片手袋が哲学的命題を投げ掛けてくるような存在である事に早くから気付けた訳ですが。
そして今日。
七年以上になる僕の片手袋研究の歴史において僅か二回しか出会ってないのですから、やっぱり貴重な存在です。
片手袋界のはぐれメタル、っていうかちりめんじゃこに入ってるちっちゃいタコ。それがこの“指先一本手袋”ですよ(あまり意味のない例え)!
ただ、長年嫌って言うほど片手袋について哲学的思考の訓練を重ねてきたので、今日の僕はコイツと出会っても昔のように慌てる事なく、そっと心の中で「おかえり!」と優しく呟けましたよ。
まあ、言い換えれば七年間で確実に頭がどうかしちゃった、という事かもしれませんが…。